政府は、朝鮮半島有事が発生した場合に備え、韓国滞在中の日本人を退避させる方法の本格的な検討を始めた。米軍が北朝鮮攻撃に踏み切る場合、在韓米国人の行動に合わせて邦人の退避を始める方向だ。北朝鮮から韓国への先制攻撃が始まる場合は、韓国政府が指定する退避施設(シェルター)に邦人が退避するよう促す。シェルターでの退避期間は72時間を目安とすることも検討している。
在韓邦人は現在、約3万8000人が3カ月以上の滞在に必要な在留届を提出。旅行者も約1万9000人に上る。政府は有事に発展しないよう、対話による解決を目指す立場だ。ただ、万が一有事に発展した場合に備え、米国の退避計画を参照しつつ、在韓邦人保護策の検討を強化した。
米軍から攻撃する場合に関し、政府は米国が事前に約20万人に上る在韓米国人の退避行動を始めると想定。それに合わせて邦人の退避を進める計画を検討している。民間定期便やチャーター機に加え、韓国政府の同意を得られれば自衛隊機の派遣も検討する。米国が軍事行動を始める場合、政府は事前協議を行うよう求めており、退避開始のタイミングが焦点だ。
北朝鮮による攻撃の場合は、緊急的に韓国政府が指定するシェルターなどへの避難を求める。仁川(インチョン)空港など韓国北部の主要空港も危険にさらされる可能性があるため、状況を見つつ陸路で韓国南部に移動し、船舶で九州や中国地方など日本国内の最寄りの港に帰国させることを検討している。移動開始の時期は、米国などの情報を踏まえて判断する。
政府関係者によると、米軍による反撃が72時間で一段落するとの米国の想定も参考にするという。 毎日新聞より
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