2017年4月20日木曜日

北朝鮮対応で集結しているのは空母打撃群だけではない?

実際の映像とトランプ大統領の発言からアメリカ軍の大規模な北朝鮮対応が見えてくる

「Cチャンピオン」「モントフォードポイント」「トマホーク」などの写真を見る
 
千代島瑞希
北朝鮮というと、緊張の原因として核実験が近いという話がありましたが、実際はどうなんでしょう?

能勢伸之解説委員
はい「北朝鮮の核実験間近」との情報に関連しているかはわからないんですが、先日アメリカ軍のコンスタントフェニックスという核実験を監視する飛行機が日本に展開しました。
ということはアメリカは北朝鮮の核実験と警戒しているんでしょうか…

軍事評論家・岡部いさく氏
本当はもうちょっと早く来るはずだったんですね。インド洋のディエゴ・ガルシア基地から沖縄の嘉手納基地に向かう途中でエンジンが故障して、一旦インドネシアのバンダ・アチェに緊急着陸してそこで直してからやってきた。

千代島
コンスタントフェニックスってどんなことする飛行機なんですか?

岡部氏
胴体の「UNITED STATES AIR FORCE」の文字の下に出っ張りが付いているでしょ?【画像参照】 高い高度を飛びながらこの部分から空気を取り入れるんです。この中にフィルターがありまして空気中のこまかい塵を集める。そうすると核実験で発生した生成物質があるかもしれない。あるいはアルゴンとかラドンとかの放射性のガスがあるかもしれない。

そういった物質がどういう種類でどのくらいの割合で出てきているかを調べると元の核爆弾はウラニウムなのかプルトニウムなのか、どちらにせよどのくらいうまく爆発したのか、あるいはあんまりうまく爆発しなかったのかなど、分析できるんです。
これは世界に2機しかいないんですけれども。

能勢解説委員
西側で2機しかないということですね。コンスタントフェニックスは飛びながらその微粒子を機内ですぐに、ある程度分析する能力もあるそうです。
さて、さらに珍しい船が沖縄と横浜で確認されています。

岡部氏
これは沖縄の那覇軍港ですね。【上記リンク参照】「Cチャンピオン」っていうアメリカ海軍の特殊部隊「シールズ」の訓練支援用の船なんです。この船自体は民間の船なんだけれどもアメリカ海軍が雇って使っている。船の後ろの部分に赤いクレーンのようなものがあって、そこに今は一隻RHIBっていう高速ゴムボートを積んでいます。

ある本によると、アメリカ海軍特殊部隊シールズが敵地に潜入する時に使う特殊作戦用小型潜水艇SDVが積まれることがあるというんですが、ここでは確認できません。
でもこの船が来ているということは日本の周辺で海軍特殊部隊シールズが何かの訓練をしているということを、うかがわせますね。確かに米韓演習やっていて上陸演習もあるでしょうからシールズが海から行って上陸する海岸を偵察してくるような演習をやっているのかもしれない。
 
岡部氏
これです。アメリカ海軍の遠征ドック型輸送船「モントフォードポイント」という船なんですが、変な形でしょ。

真ん中をけずっちゃったような船なんですが、この船がどういうことをするかというとまず、沖合で他の船に横付けして戦車とかトラックとか車輌をおろします。さらにLCAC(エルキャック)という上陸用のホバークラフトを搭載していて、そのLCACに戦車やトラックを乗せて、LCACがモントフォードポイントから発進して海岸まで運ぶと。
つまり港のないところでもモントフォードポイントがあると戦車やトラック、あるいは兵士を陸揚げすることができる。

能勢解説委員
つまり上陸作戦の支援用のとても大きな船です。LCACが3隻ぐらい乗りますね。輸送用のホバークラフトLCACはモントフォードポイント船体を傾けることで船上から海上に移動させられるんですよね。

岡部先生がイラストを描いてくださいました。【上記リンク参照】

岡部氏
この船に取材に行った時に言ってたけど、モントフォードポイントは「動く海岸」なんだと。こんなふうにLCACというホバークラフトがこの船を海岸に見立てて行き来できるという。この船の中にはタンクが42個あってタンクに水を入れることで傾きを調整するようになっているんです。全長240mもあります。

千代島
さて、アメリカのトランプ大統領がFOXビジネスネットワークの番組、「モーニングス・ウィズ・マリア」で自ら空母派遣について言及しました。

能勢解説委員
トランプ大統領は、この番組の中で対北朝鮮問題にふれ「我々は無敵艦隊(カール・ヴィンソン打撃群)を送りつつある。とても強力だ。我々は潜水艦も保有している。大変強力で空母よりももっと強力なものだ。それが私の言えることだ」と発言しています。

千代島
岡部さん、空母より強力な潜水艦というのはどんな潜水艦なんですか?

岡部氏
そこですよね。トランプ大統領が具体的に何を言っているのか断定はできませんが、アメリカ海軍は4隻、太平洋側と大西洋側に2隻ずつ改良型オハイオ級巡航ミサイル潜水艦を持っています。

今回紹介するのはミシガンという潜水艦で横須賀に入った時に能勢さんと見たんですが、この潜水艦は特殊部隊シールズを乗せることができるだけでなく、巡航ミサイルのトマホークを1隻で最大154発、水中から連射することができるんです。

先日のシリアの攻撃の時に駆逐艦2隻で発射したトマホークの数が59発だからその規模がとんでもないことがわかる。これが水中のハッチが開いて7つある発射口からトマホークが高圧空気で押し出されるところです。 
       
このあと水上に飛び出してロケットに点火、水上すれすれを飛んで目標に向かう。太平洋上には「オハイオ」と「ミシガン」がいるんですがオハイオは先ごろアメリカ本土でドック入りしたんで、今動いているとすればこのミシガン。

でも潜水艦だから、今、どこで何をしているのかはわかりません。

能勢解説委員
どこにいるかわからないけれども、トランプ大統領が発言した「空母より強力な潜水艦」っていのはこれのことかなと。仮にもしトマホークを154発撃てるような代物がうろうろしているとしたら、これは大変な状況ですよね。 週刊安全保障

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