2017年4月23日日曜日

対北朝鮮「武力行使なら全面戦争」=米専門家にインタビュー

【ワシントン時事】核開発やミサイル発射など挑発を続ける北朝鮮に対し、トランプ米政権は外交と経済で圧力をかけつつ、軍事的選択肢も排除しない姿勢を示している。米有力シンクタンク、ランド研究所のブルース・ベネット上級国防アナリストは時事通信とのインタビューで、米国が武力行使に踏み切った場合、全面戦争は避けられないと予想した。一問一答は次の通り。

米国が武力行使を決断したとして、考えられるシナリオは。
軍事的見地から、ピンポイント攻撃はない。北朝鮮の核とミサイル両方の計画を阻止するには、数十カ所を攻撃しなければならない。うち1カ所に米国が攻撃を加えただけで、北朝鮮はソウルに向けて反撃するのではないか。米国が踏み込んでいって(核・ミサイル)計画をつぶそうとすれば、朝鮮半島で大規模な戦争が起きる。それ以外の結末は考えづらい。
イラクのフセイン元大統領のように、米国が金正恩朝鮮労働党委員長を追い落とすことは、軍事的に可能か。
金正恩氏は核実験などの際、狙われるのを恐れてか、数日間から数週間にわたり姿をくらませる。見つけ出すのがまず難題だ。さらに、彼ら(北朝鮮指導部)は砂漠ではなく地下施設に逃げ込む。北朝鮮にはおよそ1万カ所の地下施設があり、一部は武器庫だが、指揮統制用の施設もかなりある。それらを全て破壊するのは、不可能ではないが難しいだろう。
全面戦争に突入した場合、終結にはどれぐらいの期間が必要か。
米国が大規模な地上部隊を派遣するのに1カ月程度。(終結までの)プロセスは数カ月かかるだろう。イラクと同様、戦後も激しい抵抗が考えられ、対応が極めて難しくなる可能性がある。フセイン政権の兵力は約40万人。北朝鮮はその3倍で、秘密警察や予備役を含めれば約10倍に上る。イラクは実際に大量破壊兵器を持つには至らなかったが、北朝鮮は持っている。
トランプ大統領が北朝鮮攻撃を決断すると考えるか。
実際のところ分からないが、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は有能な人物だ。シリアは米軍が飛行場にミサイルを撃ち込んでも反撃の手段を持っていなかったが、北朝鮮は違う。彼らには、ソウルを攻撃できる迫撃砲が3000門はあるとみられ、その10分の1を使って砲撃を1時間加えるだけで、何千人もの犠牲者を出しかねない。そうした事態をもたらすことを、米国の大統領が望むとは思わない。 JiJi.comより

0 件のコメント:

コメントを投稿

日産ケリー前代表取締役の保釈決定 保釈金7000万円 東京地裁

金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所は保釈を認める決定をしました。検察はこれを不服として準抗告するとみられますが、裁判所が退ければ、ケリー前代表取締役は早ければ25日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。一方、...