2017年4月4日火曜日

軍幹部の裁判開始

エルサルバドルで1981年に起きた大虐殺事件について、同国の裁判所が3月末、軍幹部を被告とする裁判を開始、内戦下の戦争犯罪の責任を違憲とした免罪と認定した事を受けて行われる初めての裁判として注目されます。

現地からの報道によると、東部モラサン県の裁判所で329日から2日間行われた公判は、国軍精鋭部隊が引き起こした、エルモソテの虐殺事件、当時の軍幹部18人のうち12人が被告として出廷。判事から殺人、強姦、自由剥奪、レイプなどの罪状について審理するとの通告が行われました。

被告の中には、ホセ・ガルシア元国防相、ラファエル・フロレス参謀総長など軍の最高幹部も含まれています。

事件の被害者・遺族らは90年代から責任者の裁判を要求してきましたが、内戦中の兵士の行為を不問に付す恩赦法によって裁判への道は阻まれてきました。今回の裁判は、内戦終結後に政党化した左派政党ファラブンド・マルティ民族解放戦線党(FMLN)が政権に就いて、事件への国家の関与を認め、最高裁が昨年10月、恩赦法の違憲性を認定、無効化したことを受けて実現することになりました。

被害者や遺族からは歓迎の声が上がっています。遺族会所属の弁護士ウィルフレド・メドラド氏は29日、地元メディアに対して、われわれは裁判が前進する事に満足している。内戦の時代に、触れる事さえ出来なかった国軍幹部が初めて被告席に座っている。そのことが重要だと語りました。

一方、被告側の弁護士は地元メディアに対し、告訴の根拠となっている、事実委員会の報告についてホラー小説のように漠然としたものなどと非難。遺族らの新たな怒りを呼んでいます。

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