香港メディアの鳳凰網は17日=中国経済は過去30年間にわたって年10%ほどの成長を続けてきたとする一方、中国では鉱山の生き埋め事故や環境汚染、食品の安全を脅かす問題など、さまざま事故や問題が山積していると伝え、経済学の角度から中国で事故や問題が頻発する理由を探った。
記事は、エレベーターに人が巻き込まれて死亡する事故や、天津市で起きた大規模な爆発事故を挙げ、「こうした事故はあくまでも氷山の一角に過ぎない」と指摘。中国全土でさまざまな事故が頻発していることに対し、「制度上の問題を解決してこそ、悲劇が繰り返されることを防ぐことができる」と論じた。
続けて、中国で「高度成長」と「事故の多発」が同時に起きた理由として、中国の地方政府同士の競争があると指摘。域内総生産(GDP)を評価の対象としたことで、各地方政府の幹部は財政収入を増やし、政治的に昇進の機会を得るため、安全性や環境保護を無視した企業を放任したと指摘した。
その結果、高度経済成長は実現できたとしながらも、事故や社会問題も招き、社会に損失をもたらすことになったと指摘。2006年には中国の経済学者が「地方政府が政治的な業績のために企業の不正を放任する姿勢」を「政企合謀」と呼んだことを紹介し、「政企合謀」によって事故や社会問題が多発したことで、中国政府の権威や利益も損ねることにつながっていると論じた。
また記事は、中国政府はなぜ「政企合謀」を防ごうとしなかったのかと疑問を投げかけた。さらに、北京市でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催された際、中国政府は北京市周辺で大気汚染物質を排出している工場を一斉に稼働停止としたことで「APEC首脳会議の開催期間中は北京市に青空が広がった」と指摘。
こうした事例からも、中国政府は「政企合謀」の存在を知らないわけではないと指摘する一方で、中国政府は経済成長と社会の安定のバランスを取っているとし、「経済成長によるメリットが社会的費用を上回っている場合」においては、中国政府は「政企合謀」を黙認してきたと論じた。
また記事は、中国では災害や大きな事故が起きるたびに、「指導者が関心を寄せている」、「救援を行った英雄」などを持ち上げ、美学に仕立てようとすると批判。また、「政企合謀」のもとで、情報を隠し、情報をねじ曲げてこそ、地方政府の幹部はその立場を守ることができると批判したうえで、中国が政治的な業績を評価するための制度を改善することは短期的には実現が難しいとし、重大な事故を防ぐ仕組みづくりも容易ではないと論じた。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2015年8月23日日曜日
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