2015年8月21日金曜日

北朝鮮の硬軟織り交ぜた外交

韓国と北朝鮮の間で軍事的な緊張が高まるなか、北朝鮮の国営メディアはキム・ジョンウン(金正恩)第1書記が、21日夕方から前戦地帯を「準戦時状態」とし、部隊に対していつでも戦闘が可能な警戒態勢をとるよう命令を出したと伝えました。
北朝鮮軍は、20日南北の軍事境界線近くの韓国軍の部隊に向けて砲弾などを撃ち込み、これに対し韓国側も報復として北朝鮮側を砲撃しました。さらに北朝鮮は、韓国軍が続ける北朝鮮の体制を非難する放送を22日夕方までにやめるよう要求し、放送を続ければ、「軍事的行動を開始する」と通告しました。

これに関連して北朝鮮国営の朝鮮中央通信はキム・ジョンウン第1書記が20日夜、朝鮮労働党で軍を統括する中央軍事委員会の緊急会議を招集したと伝えました。
会議では、「やむをえない場合、一斉に反撃するための作戦計画が承認された」としたうえで、キム・ジョンウン第1書記が、日本時間の21日午後5時半に、前線地帯を「準戦時状態」とする命令を出したということです。「準戦時状態」はいつでも戦闘が可能な警戒態勢で、この態勢に入れば、1993年に米韓の合同軍事演習に対抗して発令されて以来です。

一方、北朝鮮は、20日、韓国側に、「事態を収拾し関係改善の道を開くため努力する意思がある」という書簡も送っており、硬軟織り交ぜた姿勢で、北朝鮮の体制を非難する放送をやめさせようというねらいがあると見られます。

 韓国 挑発に強力に対応

北朝鮮が20日、韓国軍の部隊に向けて砲撃を行ったうえで、北朝鮮の体制を非難する放送を22日の夕方までに止めるよう要求したことに対し、韓国軍は21日午前、合同参謀本部の名前で電信文を送り返し「今回の砲撃は休戦協定と南北不可侵合意に違反する不法で重大な挑発だと厳重に警告する」と伝えました。そして「無謀な軽挙妄動を完全に放棄することを求める」としたうえで、仮に今後あらたな軍事挑発があった場合は「自衛権として強力に応じる。これによって生じる、すべての責任は北にあることは明白だ」と警告しました。
韓国軍は最高水準の警戒態勢をとるとともにアメリカ軍とも協力して北朝鮮軍への監視を強化しています。

北朝鮮 安保理の緊急会合開催を要望

国連の北朝鮮代表部のチャ・ソンナム大使は安全保障理事会の議長に宛てて書簡を送り、今月17日から始まった米韓合同軍事演習について、アメリカがいたずらに朝鮮半島の緊張を高めていると非難し、安保理の緊急の会合を開くよう要請しました。
19日付けの書簡でチャ大使は「米韓合同軍事演習は、大量の軍備と核兵器を動員して北朝鮮の首都ピョンヤンを占領する目的で行われ、到底、防衛目的とはいえない。アメリカはいたずらに朝鮮半島の緊張を高めている」として、アメリカを強く非難しています。
そのうえで「軍事演習は朝鮮半島にとどまらず北東アジアの平和と安全を脅かしている」として、安全保障理事会に対して緊急の会合を開くよう、求めています。さらに「アメリカがわれわれの主権と安全を脅かすのを黙認することはできず、挑発に対抗するあらゆる措置をとる」としています。
その一方でチャ大使は書簡の中で、韓国に対する直接的な批判を控え、軍事境界線近くでの緊張についても、言及していません。

官房長官 「挑発を自制すべき」

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「今回の行為を強く懸念しており、北朝鮮がこのような挑発行動を自制すべきであると考えている。政府としては、米国・韓国等と緊密に連携し、官邸に設置している北朝鮮関連情勢に関する情報連絡室において、内閣官房および関係省庁が緊密に連携しながら、情報収集・集約に努めている」と述べました。

防衛相 「推移見守る」

中谷防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、「北朝鮮は、これまでも弾道ミサイルの発射を繰り返すなど南北の緊張は高まっており、防衛省としては引き続き関心を持って各種情報の収集・分析に万全を期すとともに、事態の推移を見守っていく」と述べました。NHKニュースより
 
北朝鮮の硬軟織り交ぜた外交姿勢は見事なものである。北朝鮮は本気に韓国との戦争をすれば北朝鮮は崩壊に向かうはずであり、バックアップしてくれる、中国やロシアなども経済が疲弊している。本気で戦争などする気はないはずであり、ゼスチャーは見せないといけないだけかも知れない。戦争するだけの、余力は北朝鮮にはないはずであり、国民も満足に食うことが出来ない国が戦争など出来るはずがない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

日産ケリー前代表取締役の保釈決定 保釈金7000万円 東京地裁

金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所は保釈を認める決定をしました。検察はこれを不服として準抗告するとみられますが、裁判所が退ければ、ケリー前代表取締役は早ければ25日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。一方、...