2015年8月23日日曜日

ギリシャのチプラス首相辞任(総選挙へ)

ギリシャのチプラス首相は20日、パブロプロス大統領に辞表を提出し、早急に総選挙をおこなう様に要請しました。政府関係者によると、9月20日投票を軸に調整される見通し、緊縮策の強化などを盛り込んだギリシャへの新たな金融支援策が決まったことを受けて、チプラス氏が与党・急進左派連合(SYRIZA)内の緊縮反対はを抑え込み、政権基盤を強化することを狙ったものと受け取られます。

チプラス氏は辞表提出を前にテレビで演説し、1月の総選挙前に期待していた合意を達成しなかったと表明。自身が総選挙で反対を表明した緊縮策を受け入れなかった事について、倫理的・政治的な責任を深く感じており、成功も失敗も含め、私がやった事全てについて国民の審判を仰ぎたいと述べました。

早期に総選挙を実施することで、チプラス氏は有権者の支持をつなぎとめる事を期待しています。金融支援が本格化すれば、年金の削減、付加価値税や所得税の増税が待ち構えています。

チプラス氏にとって足かせとなってSYRIZA内の反緊縮勢力を排除する事で、より安定した基盤で首相再任を果たすことをもくろんでいます。

ユーログループ会合のデイセルブルム議長は、ロイター通信に対して、ギリシャがユーロ圏に対する公約を守ることが不可欠だと表明。チプラス氏の辞任が支援策の支障をきたさない様に釘を刺しました。

チプラス氏は秋にも総選挙を実施するとの観測もありました。しかし、14日の財政改革法案の採決で、SYRIZA議員の1/3近い議員が棄権したため、これらの勢力の新党結成の動きを意識して、総選挙の実施を早める決断を下したとみられます。

憲法の規定により、パブロプロス大統領は最大野党、新民主主義党(ND)の党首に組閣を要請しました。

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