韓国日刊紙中央日報は18日、トランプ米大統領のアジア歴訪を報じ、「なぜトランプ大統領の訪韓日程が1泊2日と短いのか」という韓国メディアの不満、恨み節を紹介している。簡単にいえば、「わが国はトランプ大統領を国賓で招いたのにもかかわらず、日本で2泊3日の日程と長いのに」というのだ。韓国に対する理解を持とうと努力している当方にとって、韓国メディアの論調には、少しやりきれなさを感じた。
韓国メディアに通じた記者なら、「何も新しいことではないよ。韓国人は常にに日本を意識し、それより悪い状況だったら、いろいろと理屈をつけて不満を爆発させる」と説明してくれるかもしれない。それにしても、トランプ大統領の短い日程が本当に「コリアパッシング」(韓国素通り)を意味するのだろうか。少し、考えてみたい。
トランプ大統領は来月5日、訪日を皮切りにアジア歴訪に向かう。そのスケジュールはハードだ。ホワイトハウスが公表した日程によると、5日、2泊3日の日程で日本を訪問。その後、7日から隣国韓国を1泊2日で訪問。8日には中国訪問に向い、習近平国家主席と会談する。トランプ氏のアジア歴訪のハイライトだろう。その後、10日にはベトナムで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、12日にはフィリピン入りして東南アジア諸国連合(ASEAN)創設50周年の記念行事に参加し、米ASEAN首脳会議にも出席するといった具合だ。
米大統領のアジア歴訪日程を見ると、「なぜ韓国では1泊2日の短い滞在か」、「米大統領は韓国の戦略的地位の重要性を理解していない」、「米国のコリアパッシングではないか」といった韓国側の不満はあまり説得力がない。大統領の日程がハード過ぎるからだ。
トランプ氏の訪韓日程をみると、25年ぶりの米大統領の国賓訪問らしく、文在寅大統領と首脳会談、国会で演説も入っている。北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威が高まってきている時期だけに、米国側が同盟国・韓国に最大限の礼を尽くしていることが分かる。
それでは「なぜ日本で2泊3日の日程なのか」という反論が生まれてくる。トランプ氏の日本滞在日程も韓国と同様、1泊2日とすべきか、韓国でも2泊3日の日程とすべきではないか、といった主張が出てくるだろう。問題は、トランプ氏の訪韓が1泊2日と短いことではなく、トランプ氏の訪日が2泊3日と訪韓日程より長いことだ、ということが分かる。
韓国の国民は今年6月末の文大統領の訪米を想起すべきだろう。当時、聯合ニュースは「トランプ大統領は韓国大統領の訪米に対し、破格の待遇で最高のもてなしを準備している」と報じ、韓国国民の自尊心をくすぐったほどだ。
以下、聯合ニュースの記事を再読してほしい。
「文在寅大統領はワシントン・ホワイトハウス前にある迎賓館に宿泊。初訪米でブレアハウスに3泊以上宿泊するのは文大統領が初めて。これは米国政府が文大統領を手厚くもてなすという意味だ。トランプ大統領が外国首脳夫妻を招き、ホワイトハウスで歓迎夕食会を行うのは文大統領が初めてとなる」
文大統領はワシントンのゲストの時、破格の待遇で歓迎された。今回はホスト国としてトランプ大統領の訪韓時には歓迎したい、という思いが強いだろう。ゲストに対し最善を尽くすのが韓国人気質だからだ。その意味で、今回はトランプ氏の韓国滞在時間が余りにも短いことは残念だろう。
北の核実験、ミサイル発射で朝鮮半島はかってないほど緊迫している。一方、米韓両国には難問が少なくない。米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備問題だけではない。北朝鮮との対話路線に拘る文大統領に対して、ワシントン側には不信感があるかもしれない。一方、韓国内では反米感情が依然強い(「トランプ氏の『破格の待遇』は高価?」2017年6月30日参考)。
韓国は国際社会の重要なパートナーだ。日本や米国にとっても韓国は同盟国だ。そして日米韓の結束が最も求められている時を迎えている。ゲストに対する韓民族のもてなしの暖かさを少しでも知っている日本人なら韓国民の心意気を忘れることはない。韓国民は自信をもってほしい。韓国民の誇りが日本人の喜びとなり、日本人の良さが韓国民の誇りとなるような日を迎えたいものだ。 Viewpointより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年10月22日日曜日
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