2017年10月30日月曜日

小泉進次郎氏 首相の座を意識し官僚集めた勉強会立ち上げる

安部晋三首相は類い希な強運の持ち主かもしれない。政権が窮地に陥っても、政敵がバタバタと自滅していく。
 
11月1日の特別国会で吉田茂首相以来となる4回目の首班指名を受けた後、首相は第4次内閣を発足させる。国会を見渡すと散り散りになった野党にはもはや政権を倒す力は残っていない。

来年の自民党総裁選で3選すれば総裁任期は東京五輪後の2021年9月までとなり、大叔父の佐藤栄作首相を超える戦後最長の超長期政権が完全に視野に入ってきた。戦後のサンフランシスコ講和条約を締結した吉田首相と沖縄返還を成し遂げた佐藤首相、2人の大宰相の在任記録を抜くといわれても、国民の熱狂的歓迎は起きそうにない。

そうした中、霞が関の若手官僚たちが1人の若手政治家を“促成栽培”している。総選挙で安倍首相以上の動員力を見せつけ、「自民党の新しい顔」となった小泉進次郎・筆頭副幹事長だ。進次郎氏を囲む勉強会ではとくにこの数か月、熱気あふれる議論が交わされてきた。

“安倍内閣の小手先の働き方改革では高齢化問題はどうにもならない。定年延長ではなく、定年をなくすくらいまで政治が手を入れないと”、“ネガティブな超高齢化社会に向けてどうやれば国民にポジティブなメッセージを送れるか。心に刺さる言葉が欲しいんだよね”

「進次郎内閣」の政権構想をつくるためのブレーンストーミングである。この動きに神経を尖らせて情報収集している内閣官房の官僚が語る。

「進次郎は1年ほど前から将来の首相の座を意識して官僚を集めた勉強会を立ちあげている。先行しているのは財務省の中堅官僚グループで、超高齢化社会をテーマに進次郎政権の柱となる政策づくりをしてきた。

それに対抗しているのが経産省の若手女性キャリアを中心とする勉強会。高齢化社会の産業構造や自動運転技術などの無人化社会、移民政策など分野ごとに各省の若手に積極的に声をかけて参加者が増えている。

最近では進次郎も同じ年代の官僚が多いこっちの勉強会が気に入って、“経済が停滞する時代にはどんなメッセージが共感を得るのか?”など、質問も多いと聞いている」

霞が関には将来有望と見込んだ若手政治家に官僚をはり付けて政策を勉強させる“先物買い”のシステムがある。その政治家が総理・総裁になったとき、ブレーンとして最も食い込んだ省庁が政策決定の主導権を握って政権をコントロールすることになるから、役所の浮沈がかかっている。

しかも、財務省と経産省が進次郎氏にはり付けている官僚は将来の次官候補と呼ばれるエリートで、議論の内容から見ても“遠い将来の総理”と考えているのではなく、ポスト安倍の有力候補とされる石破茂氏や岸田文雄氏と並ぶ位置づけで具体的な政権構想づくりを競っていることがわかる。

総選挙での応援演説が聴衆の心をつかみ、メディアが競うように報じたのも、勉強会での研究成果のようだ。  infoseek newsより

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