「制裁が一般市民に壊滅的な影響を与え得ることは歴史が示している」
国連で北朝鮮の人権問題を担当するトマス・オヘア・キンタナ特別報告者は26日、国連総会の人権委員会でこう述べ、もともと劣悪な北朝鮮の人権状況が、ミサイル発射実験と核実験に対する最近の3回にわたる制裁強化により、さらに深刻化しかねないとの懸念を示した。
餓死者発生の情報
キンタナ氏は「制裁によって重要な経済分野にマイナスの影響が及ぶ可能性があり、人権の享受に直接的な影響を及ぼすことを憂慮している」と強調。北朝鮮のがん患者向け医薬品や、車いすをはじめとする障害者用の機器などの貨物が差し止められている状況を説明し、すでに制裁が一般庶民にダメージを与えている可能性が高いとの見方を示した。
このような懸念は、制裁が実行される前から存在していたものだ。
金正恩党委員長が核兵器開発に固執することができるのは、北朝鮮に言論の自由と民主主義がまったく存在しないからだ。民主主義国家ならば、経済制裁に苦しめられた国民の不満が、政府に方針を変えさせる可能性も出てくる。
しかし北朝鮮で独裁者の政策にケチを付ければ、公開処刑になるか政治犯収容所に送られてしまうのが落ちだ。
つまり国民は政府に文句を言うこともできず、制裁による苦境を甘受しなければならないということになる。また、制裁に加えて金正恩氏の失政が重なることになれば、北朝鮮の庶民を大きな悲劇が襲う可能性もある。北朝鮮国内では、一部ですでに「餓死者が出た」との情報も出ている。
北朝鮮国民の多くは、すでに国家の配給には頼らず、商売で得た現金収入で食べ物を確保している。配給制度の崩壊によって大量の餓死者が発生した1990年代の「苦難の行軍」のような事態は、そう簡単には再現されないとの指摘もある。
ただ、制裁によって輸出がほとんどストップしてしまっては、信用力の高い外貨が国内に流入せず、商売そのものが難しくなってしまうかもしれない。そのような事態となり、食料価格が高騰したらどうなるか。すでに貧富の格差がかなりの大きさになっている点を踏まえれば、貧困層が相当なダメージを受けるであろうことは想像に難くない。
これは決して、国際社会の望むところではないが、かと言って、経済制裁のほかに有力な圧力手段も見当たらない。
当面は、北朝鮮国内の動向についてモニタリングを続けるしかないだろうが、状況次第では、制裁措置に「例外」を設ける必要も出てくるのではないか。そのとき世論が無用な誤解を抱かないよう、政治家とメディアは「北朝鮮の一般国民は敵ではない」ということを、普段から確認しておいてほしい。 infoseek newsより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年10月29日日曜日
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