2017年10月29日日曜日

独立宣言、交錯する歓喜と不安 バルセロナ市民の声

スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州議会が同国からの独立を宣言したことを受け、州都バルセロナ(Barcelona)では祝賀ムードが広がる一方で、独立阻止を目指す中央政府が同州の自治権剥奪に動いていることから、不安の声も上がっている。
 
喜びに沸く群衆の中、ソーシャルワーカーの女性(38)は目に涙を浮かべながら、「ここまで来るのには多くの犠牲があった」「ついに前に進み、共和国を、新しい国を一からつくれることに感激している」と語った。
 
ウエーターの男性(66)は、地域独自の文化や歴史、アイデンティティー、言語を守るにはカタルーニャが独立するしかなく、こうしたものがあって当然だと考えてはならないと主張。「私はカタルーニャ語を学校で教わらなかった。当時は禁止されていた」と指摘し、フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)将軍の独裁政権下でカタルーニャが抑圧されていた時代を振り返った。

「言葉、そして人々のアイデンティティー。人々のアイデンティティーを壊すことはできない」
 
カタルーニャ州では今月初め、騒乱の中で独立をめぐる住民投票が行われ、賛成派が多数を占める結果となった。スペイン憲法裁判所は投票を違法とする判断を下したが、独立派は27日の州議会で独立宣言の採決を強行した。

しかし、独立宣言は短命に終わる公算が大きい。中央政府や他国が宣言を承認していない上、マリアーノ・ラホイ(Mariano Rajoy)政権が同州の自治権や財政権を剥奪する姿勢を見せているためだ。

カタルーニャ州の住民の多くは、独立への賛否にかかわらず自治を重視しており、州議会による独立宣言は思い切った措置だと感じている。

前出のウエーターの男性が「後戻りはできない」と言うと、男性の姉はこれに同意しつつ、「独立には賛成だが、今の形には賛成していない」と述べ、「どのような結末になるのかは分からない」と先行きへの不安を語った。 (c)AFP/Marie GIFFARDより

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