「暴言王」「犯罪バスター」などの異名を持つフィリピンのドゥテルテ大統領が30、
31両日に来日する。強烈な個性の持ち主として知られるドゥテルテ氏だが、安倍晋三首相には絶大な信頼を寄せており、4度目の首脳会談で日比両国のさらなる関係強化を図る見通し。中国の南シナ海・東シナ海での覇権拡大に懸念を共有する両首脳は、対北朝鮮でも足並みをそろえることができるのか。
ドゥテルテ氏の来日は、昨年10月に続き2度目。フィリピンは11月13、14両日にマニラで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議の準備で手いっぱいのはずだが、ドゥテルテ氏が首相との会談を強く望み、急遽(きゅうきょ)訪日が決まった。トランプ米大統領との初会談を控えていることから、トランプ氏の人物評や北朝鮮情勢に関して、首相の率直な意見を聞きたいと考えたようだ。
ドゥテルテ氏は北朝鮮情勢に強い懸念を抱いており、9月の国連安全保障理事会の対北制裁決議を受け、北朝鮮との貿易も停止した。ASEANは北朝鮮に融和的な国が多いだけに、議長国のフィリピンが日米と「圧力」路線で足並みをそろえる意義は大きい。
とはいえ、ドゥテルテ氏は大の米国嫌いで知られており、トランプ氏との初会談で関係がこじれると、ASEAN関連会議への影響も生じかねない。
実はトランプ氏もフィリピン訪問をためらっていた。9月に行われた米ニューヨークでの日米首脳会談でも首相に「フィリピンにも行かねばならないのか」と相談を持ちかけた。
首相が「絶対行った方がよい。あなたとドゥテルテ氏はきっとウマが合う」と促すと、トランプ氏は即座にマクマスター大統領補佐官にこう指示した。
「シンゾーが言うなら間違いない。フィリピン行きの日程を調整してくれ」
日米両首脳の絆は相変わらずだが、首相とドゥテルテ氏の信頼関係も負けず劣らず強い。
これには理由がある。
昨年10月の日比首脳会談(少人数会合)で、ドゥテルテ氏が米国批判をまくし立てたところ、首相はこうたしなめた。
「私の祖父(岸信介元首相)もGHQ(連合国軍総司令部)に戦犯として3年間拘置された。だが、日米安保条約を改定し、現在の日米同盟の基礎を築いたのも私の祖父だ。私怨(しえん)ではなく国益を考えたからだ」
ドゥテルテ氏はこの言葉に感銘を受けたようだ。首相が今年1月にフィリピンを訪れた際は、ダバオ市の自宅の寝室まで招き入れ、収納棚にある銃のコレクションを見せて「どれでも好きなものを持ち帰ってくれ」。首相は「日本で銃の個人所有は違法だ」と言って丁重に断ったが、両者の絆は強まったという。
ドゥテルテ氏は31日には天皇陛下と面会する。昨年10月の来日時は三笠宮さまが薨去(こうきょ)され、キャンセルされただけに、ようやく念願がかなうことになる。
ロドリゴ・ドゥテルテ比大統領 1945年生まれ。法律家の父と教師の母の家庭で育った。大学卒業後に検察官となり、南部ダバオ市長を22年間務めた。ダバオの治安を劇的に改善した実績を評価され、昨年6月に大統領に就任。「麻薬撲滅戦争」を掲げ、取り締まりを強化した。ミンダナオ島ではイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う地元過激派の掃討作戦を実施、今月17日に同島マラウイの解放を宣言した。 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年10月30日月曜日
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