2017年10月30日月曜日

「日本海の要塞」対馬に中国の影「韓国も中国も対馬欲しい」

「新しいホテルが建ってよかったばい。観光客をいっぱい連れて来られるけん」
 
「一時ですよ。中国人が来だしたら、韓国人は来られなくなってしまう。私たちの仕事もなくなる。すでに福岡に中国人が押し寄せているから、対馬も時間の問題です」

「中国人と一緒に来ればいい」

「中国人が来だすと、対馬中全部押さえてしまう。韓国人の出番はありません」

今春、対馬の玄関口、厳原(いづはら)港の近くに国内の大手ホテルチェーンが進出した。増加する韓国人観光客を狙ったものだった。ところが、50歳代の建設会社社長によると、それ以降、韓国人観光客を相手に通訳をしている韓国人ガイドとの間でこんな会話が頻繁に交わされるようになった。

韓国人ガイドは慣れた日本語で「すでに中国人の出入りがあります。今日も中国人を何人か見ました。中国人は対馬に興味を持っているようで、厳原で土地と建物を買ったという話を聞きました。下見に来ているようでした」とまくしたてたという。中国人の対馬進出に危機感を持ち、ぼやく韓国人ガイドは一人や二人ではなかった。

「『韓国も中国も対馬が欲しいのです。しかし中国人が乗り出してくると、韓国は太刀打ちできない』と暗い表情で話していた」

このガイドの言葉を裏付けるように、厳原町のタクシー運転手は「中国人観光客はすぐに分かる。大きなかばんや袋を持っていて、爆買いするから。韓国人と買い物の仕方が違う」という。

厳原町のホテル事情に詳しい男性は「全国展開するホテルの関係者から、中国人観光客の増加を見込んで宿泊施設を建てる-という話を聞いた」と明かし、「中国が本格的に出てくるのは時間の問題だ」と断言した。
               
対馬の表玄関・厳原港は大規模な改修工事の真っ最中だ。長崎県によると、現在国内フェリーの接岸工事をしている段階で最終的な改修規模は検討中だという。

だが、対馬の複数の財界関係者の話を総合すると、3年をめどに水深を掘り下げるなどして大型豪華客船が停泊できるように改修する計画が進められているという。県は、この点について「検討対象」というにとどめているが、ある観光業者は、博多港に中国の豪華客船が入港、2千人から3千人の中国人観光客が上陸していることを挙げ、「改修されると、韓国人観光客だけでなく中国人観光客も大挙してやってくるだろう。そうすると、北海道のように、韓国資本が押さえている不動産をすべて中国人が買収にかかる可能性が出てくる」と指摘する。

十数年にわたって対馬で韓国資本の進出を注視している男性は「対馬には中国人に売ってもいいと考えている人もいる。韓国人も中国人が不動産を売れと言ったら売るでしょう。

中国と韓国が重なって対馬を買いあさり、その後、韓国が買い占めた土地を中国が買うということも十分にありうる」と危機感を表す。

こうした危機感はじわじわと広がりつつある。厳原町のある財界幹部は「対馬自体が要塞。対馬を押さえると、日本海を押さえることにもつながる。日本海を内海にして自由に航行できることを目指す中国は当然、対馬を狙ってくる」と話した上で、「私はすでに韓国資本の裏で中国資本が動いて、不動産を買いあさっているのではないかと疑っている」と不安を口にした。

こうした危惧を裏付けるように日本に帰化した中国ウオッチャーは「要衝である対馬は中国にとってはのど仏のような存在で、どうしても拠点にしたい場所。すでに韓国人名義や島民名義で買収している可能性は高い」と、警告した。

止まらぬ過疎・高齢化 「日本守る国民守れ」

対馬が韓国資本の標的にされる理由は、歯止めが利かない過疎化と高齢化にある。

対馬の不動産業者はこう話す。

「過疎化がスピードアップしている。住民票は対馬にあるが、誰も住んでいない家も増えてきた。夜9時頃、車で走ると、電気がついていない家が多く、その数の多さに驚く」

総務省によると、対馬の人口は平成12(2000)年に約4万1千人だったのが平成27年には約3万1千人に減少。だがこれは住民登録している数字で実数はさらに低いという。減少率は28年10月現在で全国1741市区町村中120番目だ。また、27年現在で、総人口に占める65歳以上の割合は33・9%で、全国平均(26・6%)より7・3ポイント高い。2040年までには10・7ポイント上昇し、44・6%に達し、10人に4人が高齢者になるという。

過疎化と高齢化は対馬の慣例を壊し、それがさらに韓国資本による不動産買収に拍車をかけているという。前出の不動産業者は語る。

「5、6年前までは、先祖代々の墓を守らなければならないから島を出て行けなかった。ところが、最近は墓を守るのは自分の代までという島民が増えてきた。先祖代々伝わる土地建物を自分の代で絶やしてはいけないという伝統が変わっている。だから家が断絶するスピードも速まっている」

ある運送業者は身近な出来事として、こう話した。

「60歳で定年になると、すぐに家を売って、本土にいる子供の所に行こうという島民も目立つようになってきた」

市議会関係者も、こうした事情を踏まえて「相手は誰でも手っ取り早く売れて現金が入ればいい。観光客らからそういう情報が流れ、韓国資本もそれを狙っている。この流れは変えられない」と表情は硬い。

国境離島が抱える問題を打ち破ろうと、今年4月、有人国境離島法が施行され、目玉の一つとして、離島住民を対象とした航空運賃や航路運賃が引き下げられた。例えば、対馬から福岡へ行く場合、航空運賃はこれまで片道1万1200円だったのが7300円に、海路も厳原(いづはら)-博多間を結ぶ高速船ジェットフォイルは片道6330円が4450円に、フェリーも片道3660円から2620円に引き下げられ、6割負担で済むようになった。

だが、ここに大きな落とし穴があった。島民の多くは口をそろえてこう指摘する。「新法は島民だけが対象だ。離島振興の意味からみると本末転倒だ」

これはどういうことか。朝一番のジェットフォイルで厳原港を出発すると、博多で終日、買い物などをして夜には対馬に帰れる。ジェットフォイルの運賃が安くなって以降、「買い物や美容院にかかるために福岡に行く島民が増え、対馬の商店の売り上げが下がってきた」(厳原の商店主)というのだ。

地元地方議員も「本土の人が気軽に対馬に来られるような制度ではないから、島の繁栄にはつながらない。今のままでは過疎化は防げないし、対馬の経済復興もままならない」と、新法の“弊害”を訴える。

タクシー運転手も「皆さんに補助して、交通費が安くなれば本土からも人が来るとですよ。日本人が大勢来られるようになれば対馬も進展があろうばってん、韓国人じゃ相手にならん」と話す。

新法は一歩前進と評価する声もある。一方で、対馬の経済活性化にはほど遠く、国境離島を守ることにはならないという見方も根強いのだ。

厳原ではこんな声が多い。「今のままでは過疎化が進み、国を守る国境離島の意味をなさない。今、きっちりと対策を練らないと、問題は対馬だけにとどまらなくなる」

ある地方議員はこう訴える。

「国境の島は、日本を守る島という特区にすべきだ。土地や山は売ってはいけない。そのかわり政府が、日本を守る島民を守るという政策が必要だ」   産経ニュースより

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