2017年10月28日土曜日

韓国で「反日疲れ」のムード漂う?文在寅大統領に韓国民が不満か

収賄罪などで起訴され公判中の韓国前大統領、朴槿恵被告(65)が最近になって「拘置所で汚く寒い部屋に閉じ込められ人権侵害を受けている」と主張し、これに韓国法務省が先日、事実無根だと反論した。朴被告に対しては裁判所が今月中旬、最長6か月の勾留延長を認めたばかり。朴被告はこれに反発し、保釈狙いで当局批判を始めたとみられる。

大統領から一転、被告に。悲惨な境遇だが、韓国では文在寅大統領(64)のあまりのふがいなさに、朴被告を応援し、文大統領を下野させようとする声も上がり始めたという。

今年5月、初公判のため2か月弱ぶりに公の場に現れた朴被告は、顔はやつれて目もうつろ、まるで別人のようだった。裁判官に職業を聞かれ、小さく「無職です」。韓国では裁判所の裁量でメディアに法廷内の撮影が許可されるが、今回の朴被告は明らかにさらし者にするという目的もあったのだろう。

さらに8月末には、持病の腰痛の治療を受けた後に車いすに乗って病院を出る姿が写真とともに報じられた。7月には足の指を痛めたとして治療を受けており、痛々しい限りだ。

朴被告の“露出”について、韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「『落ちた犬は叩け』のことわざを好む大衆のサディズムに迎合したものです。韓国の復讐文化は、憎い相手の墓を暴いて屍を鞭打つことで完了します。まさに、屍と化した朴槿恵を成仏させてはならじと今後も、墓暴き的報道は過熱するでしょう」

そんな朴被告に思わぬ援軍が飛び出した。国際弁護団が、拘置所で深刻な人権侵害に遭っているというリポートを作成、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に提出したのだ。

「OHCHRがこれを受け入れれば、韓国政府に待遇を是正せよ、という勧告を出すことになります。勧告に法的な拘束力はありませんが、韓国には刑事被告人に対する人権の配慮が足りない非人権国家だというレッテルが貼られてしまうことになります」(但馬氏)

報告書によると、朴被告は慢性的な腰痛やヒザと肩の関節炎、副腎疾患、栄養不良などの慢性疾患を抱えているという。韓国の一部報道では、そんな体調の朴被告が床で寝ているともいうから、悲惨の限りだ。

また21日には、ソウルで朴被告擁護派による大規模なデモが行われた。主催したのは国会議員・趙源震(チョ・ウォンジン)氏が立ち上げた新党・大韓愛国党。同党は9月にも200人を集めた同様のデモを行ったが、今回はさらに拡大。3500人が「朴槿恵無実」「朴槿恵即時釈放」を訴えて行進した。

但馬氏は「朴槿恵の父、朴正熙元大統領の出身道である慶尚北道を中心に朴槿恵支持は今も根強く、文在寅政権への不満から隠れ朴槿恵派もにわかに増殖し、その層がデモに同調した模様です。その証拠に、デモ隊は朴槿恵釈放とともに『文在寅退陣!』のシュプレヒコールを上げていました」と言う。

どちらにしろ、就任以来、実績らしいものを何も残していない文大統領政権下、経済はダメ、来年の平昌五輪の運営も不安が消えない状況だ。米国には見捨てられ、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備で中国からはいじめられ、北朝鮮にはナメられっぱなし。

「これまでの大統領は、支持率が下がるとカンフル剤的に『反日』を利用してきましたが、それもさしたる効果はなく、むしろ国民の間では“反日疲れ”とも言えるしらけたムードが漂っています。今のところ、汚職などの不正スキャンダルは聞こえてきませんが、もしそれらが浮上した場合、朴槿恵と同じ運命をたどることでしょう」と但馬氏は指摘する。

ヒステリックな大衆に扇動された糾弾デモ、その声に迎合した弾劾裁判所の判決で朴被告は大統領を辞めさせられた。すでに文大統領の尻に火がつき始めたのかもしれない。   ライブドアニュースより

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