経営危機の東芝が米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の破産適用を申請し、平成29年3月期決算で1兆円を超える損失を計上する。これに伴い、6千億円を上回る債務超過に転落する。
1兆円超の赤字は、日本の製造業では過去最大である。ここまで損失が膨らんだ原因の解明に加え、WH経営陣に対する法的責任の追及も欠かせない。
同時に重視すべきは、半導体事業の分社化についてである。
赤字の穴埋めに充てるため、過半数の株式を売却する。会社の存続のためとしているが、日本として半導体技術の基盤を維持できるよう、同時に対策を講じる必要がある。
分社化をめぐっては、東芝が保有する半導体技術の海外流出が懸念されている。1日付で発足した新会社「東芝メモリ」には、海外企業などから出資案が寄せられている。
これに対し、経済産業省では外為法による事前審査を実施し、中国や台湾企業による買収は阻止する方針だという。
東芝の半導体には暗号化技術も組み込まれており、これが海外に流れれば、わが国の安全保障などにも影響を与えかねない。政府は慎重に審査すべきだ。
経団連の榊原定征会長は「東芝の半導体技術は国の基幹事業、最重要技術だ。日本にとどまることを希望する」と述べ、同社の半導体事業が外資に売却されることに懸念を表明した。経済界の具体的な行動をみたい。
WHの破綻処理は、原発の建設遅れなどに伴う赤字拡大を防ぐためだ。原発事業の負債額を確定させて損失を一括計上し、早期の経営再建を目指す。今後、海外の原発事業からは撤退するという。
だが、東芝は東京電力の福島第1原発の廃炉処理に向けた役割を担うことも忘れてはならない。数十年単位の長期にわたる作業が予想される。将来にわたり原発技術を継承し、円滑な廃炉にあたる責務を負っている。
政府は日本政策投資銀行などを活用し、東芝メモリに一部出資する案なども検討中だ。成長分野への出資と位置付ければ、「救済」などの批判は当たるまい。
ただ、この場合でも産業界の参加が欠かせない。官民が協力して流出を防ぐための枠組みを真剣に検討してもらいたい。 産経ニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年4月2日日曜日
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