2016年9月2日金曜日

韓経:世界40~50国で船舶抑留・入港拒否…韓進海運、出港「全面中断」

韓進(ハンジン)海運が法定管理(企業再生手続き)を申請しながら憂慮していた物流大乱が現実化している。世界各地で韓進海運マークをつけた船舶に対する仮差押さえや入港拒否などが同時多発的に広がっている。海上運賃も上昇している。海洋水産部は韓進海運発の物流大乱が少なくとも2~3カ月以上続くと憂慮した。

◆韓進海運の船舶あちこちで試練

シンガポールの船主PILは31日、韓進海運に貸した「韓進メキシコ」の釜山(プサン)港への入港を阻止した。この船は当初この日に釜山港に入ってきて荷役作業を始める予定だった。だがPILは「延滞した船舶賃貸料を出すまで船舶を自由に使わせない」として実力行使に出た。通常船を貸した船主は船舶に自社の船長を派遣する。このため非常状況になれば船舶航路を好きなようにできる。

前日の30日にはシンガポールの裁判所によって「韓進ローマ号」が仮差押さえされた。国内の検収企業S社が「検収料3カ月分が未払いだ」として抑留を申請したという。中国の廈門・天津新港・寧波とスペインのバレンシア、米国のサバンナ、カナダのプリンスルパートなどにある港湾ターミナルでも韓進海運の船舶は入港が拒否された。滞った港湾利用料のせいだ。船舶に積まれた油を回収するために船舶抑留に乗り出した所もあるという。

韓進海運の保有船団は157隻だ。自社所有64隻、借用船舶93隻だ。韓進海運の法定管理申請の事実が知らされながら世界各地で仮差押さえや入港拒否が同時多発的に起きる可能性が高くなった。韓進海運が延滞している船舶賃貸料や港湾利用料、油類費、コンテナリース料だけで7000億ウォン(約645億円)に達する。某海運会社の役員は「韓進海運が運航中に立ち寄る寄港地は世界40~50カ国に広まっている」として「借金を返済しないために債権者があちこちで韓進海運船舶や貨物を担保に確保し始めた」と話した。

韓進海運は法定管理を申請しながら米国・日本・欧州の一部国家やシンガポール・フィリピンなどに差し押さえ禁止を共に申請したという。         
◆海上運賃、一日で50%以上暴騰

韓進海運が30日から韓国を出発する路線についてのサービスを中断しながら海上運賃が揺れ動いている。海運業界によれば韓進海運の主力路線である釜山~米国ロサンゼルス(LA)間のコンテナ船運賃は韓進海運のサービス中断の情報が伝わりながらFEU(40フィート規模のコンテナ)あたり1100ドル(約11万円)ラインから1700ドルへと55%ほど上昇した。韓国からパナマ運河を経て米国東海岸へ行くコンテナ路線の運賃はFEUあたり1600ドルかで一日で50%上がった2400ドルを記録した。企業の負担が大きくなったのだ。

局地的には運賃がはるかに大幅な上昇もしている。国内の某大企業は韓進海運の運航中断によって突然、代替の海運会社を探す過程で相場の2倍価格を提案されたという。海運業界の関係者は「韓進海運の退出で船舶運航が減れば、船舶運賃価格が急騰する可能性がある」と話した。

◆輸出企業も非常事態

企業の動きも慌ただしくなった。特にコンテナ船の運送割合が高いテレビ、家電業界は尻に火がついた状況だ。サムスン電子は韓国から北米に輸出する家電物量の40%、LGエレクトロニクスは20%ほどを韓進海運に任せている。サムスンとLGいずれも韓進海運に代わる海運会社探しを始めたという。

自動車業界は部品企業が事態を鋭意注視している。現代(ヒョンデ)自動車、起亜自動車、韓国GM、双龍(サンヨン)車など完成車企業は主に現代グロービスと欧州系ユーコー・カーキャリアーズを通じて輸出する。だが自動車部品はコンテナ船で積み出す。韓国GMの関係者は「GMがグローバルアウトソーシングをしているので一部の部品調達に支障が出る可能性がある」と話した。

精油、化学、鉄鋼はバルク船やタンカーを主に利用するため相対的に影響は大きくない。だが急に代替船舶を探さなければならない場合、運賃が高くなる恐れがあるというのが負担だ。韓国海洋水産開発院は韓進海運の退出で国内の輸出入荷主がこうむる被害(追加運送費)を年4407億ウォンと推定した。   中央日報より

0 件のコメント:

コメントを投稿

日産ケリー前代表取締役の保釈決定 保釈金7000万円 東京地裁

金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所は保釈を認める決定をしました。検察はこれを不服として準抗告するとみられますが、裁判所が退ければ、ケリー前代表取締役は早ければ25日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。一方、...