ドナルド・トランプ米政権の圧力が高まる中、北朝鮮で15日、「民族最大の名節(祝日)」とされる金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日を迎えた。北朝鮮が6回目の核実験に踏み切る恐れもあるが、朝鮮半島周辺には世界最強の米軍が集結し、暴発を許さない構えを見せている。北朝鮮を率いる金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は再び愚行を犯すのか。朝鮮半島の緊張は最高潮に達した。
「太陽節」と呼ばれる金日成氏の生誕記念日は北朝鮮で最も大切な祝日と位置づけられている。今年は生誕105年で、北朝鮮で重視される5年ごとの節目に当たる。
昨年の太陽節には、中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられるミサイル1発を発射。今年はさらに6回目の核実験や弾道ミサイル発射に踏み切るとの見方も浮上している。同日午前には大規模な軍事パレードが行われた。
というのも、昨年に誕生したトランプ米政権がこれまでにはない強烈なプレッシャーをかけているからだ。核・ミサイル開発に狂奔する正恩氏に対し、米韓軍事演習は史上最大規模で行われている。朝鮮半島周辺の西太平洋には、迎撃ミサイルを搭載したイージス艦16隻が集結しているとの報道もあり、北朝鮮の暴発に対応する態勢を整えている。
さらに、アフガニスタンで13日に初めて実戦使用した、核兵器を除いて史上最大の爆弾とされる大規模爆風爆弾(MOAB=モアブ)による空爆の映像を、国防総省のウェブサイトで公開した。モアブによる空爆の対象はイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)だったが、米軍の攻撃能力を正恩氏に見せつけた形だ。
トランプ政権の圧力に対し、北朝鮮は国営メディアを通じ、反発を強めている。朝鮮中央通信は14日、朝鮮人民軍総参謀部の報道官声明を伝え、その中で「米国とその追随勢力に対するわれわれの超強硬対応は生存を許さない破滅的懲罰を目標に無慈悲に加えられる」とし、日本や韓国の米軍基地などへの報復を警告した。
だが、正恩氏に対しては、後見人的存在である中国も距離を置き始めているようだ。中国の習近平国家主席は今月6、7日の米中首脳会談でトランプ氏から、米の北朝鮮政策に協力するよう、猛烈なプレッシャーをかけられた。その焦りのためか、中国側が説得に乗り出したとの報道もあるが、情報は錯綜(さくそう)している。
トランプ氏は13日、ツイッターに「中国が北朝鮮に適切に対処するだろうと確信している」と投稿。さらに中国が失敗した場合、米国と同盟国による行動も匂わせた。
正恩氏、中国の行動次第で、朝鮮半島は朝鮮戦争以来の危機を迎える可能性もありそうだ。
夕刊フジより
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