2017年4月16日日曜日

対立、神経戦 軍事行動、双方けん制

北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる米国と北朝鮮の対立が深刻化している。特に、北朝鮮が二つの記念日に6回目の核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を強行するのでは、という観測が流れ、それに米国が先制攻撃で応じる準備を進めているというテレビ報道もある。米朝の戦闘は現実的ではないが、両者とも国内外の世論をにらみながらの神経戦を続ける。

巡航ミサイルで7日(シリア時間)に、シリアを電撃的に攻撃したばかりのトランプ米政権。今度は北朝鮮への圧力を急激に強める。北朝鮮近海に原子力空母「カール・ビンソン」を急派したのに続き、13日にはアフガニスタンで核兵器に次ぐ大規模な新型爆弾を投下し、軍事力を誇示した。
 
15日の金日成(キムイルソン)主席生誕105周年、25日の朝鮮人民軍創建85周年という記念日に、北朝鮮が核・ミサイル実験に打って出るのではとの見方が広まる。米メディアは複数の米情報機関当局者の話を引用し「北朝鮮が核実験の準備に入れば、米軍が通常兵器で先制攻撃する準備に入った」(NBC放送)と伝える。ただ、この先制攻撃の準備について否定的な報道もある。
 
「シリアと違い、北朝鮮が報復措置を取るのは確実」。米国の軍事専門家の多くはこう指摘する。北朝鮮が韓国や日本などに向け弾道ミサイルを発射するのは間違いない。最悪の場合、化学兵器や核兵器を弾頭に装備することも考えられる。
北朝鮮に対する軍事行動の選択肢について、マティス米国防長官は11日の記者会見で「話したくない」と述べ、日韓両国とその内容について既に相談を始めたと強く示唆した。日本政府は万が一、米軍が北朝鮮を攻撃する場合は日米両政府による事前協議を求めており、日本政府高官は14日、「米国も(攻撃すれば)日韓に被害が及ぶことは分かっていると思う」と話した。菅義偉官房長官は「直ちに邦人の安全に影響がある状況ではない」と、冷静な対応を呼びかけている。
日本政府は韓国への渡航中止や退避勧告などは行わず、11日に注意喚起を促す海外安全情報を出すにとどめている。一方、13日の国家安全保障会議(NSC)関係閣僚会合では、約3万8000人いる韓国在留邦人の保護の対応などを確認した。
 
北朝鮮、圧力には「超強硬」
「米国が無謀な軍事作戦に打って出るなら、我々は先制攻撃で対応する」。北朝鮮の韓成烈(ハンソンリョル)外務次官は14日、平壌でAP通信のインタビューにこう答えた。また、北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部報道官は14日付の声明で、米軍から攻撃を受けた場合に「超強硬対応で粉砕する」報復攻撃先として在日米軍基地も挙げた。米国の圧力が強まるにつれ、北朝鮮側の言動も過激さを増す。
北朝鮮は当初、トランプ政権に期待感さえ抱いていた。非核化前提でない対話に応じなかったオバマ前大統領とは違い、トランプ大統領を「賢明な政治家」と評価したことさえあった。
しかし状況は一転し、米シンクタンクは衛星写真の分析から北朝鮮が核実験準備を終えたと見る。韓次官も、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労動党委員長が決断すれば、6回目の核実験をいつでも強行できる状態だと訴える。
トランプ氏は北朝鮮の最大支援国・中国の習近平国家主席に対し、北朝鮮に圧力をかけるよう要請し、それができなければ独自行動を取ると警告。中朝関係は好転の兆しが見えず、金委員長は習主席と意思疎通が図れる状況にはない。
 
韓次官は「トランプ氏は、我々が問題を起こしているように表現するが、今問題を起こしているのは米国の方だ。我々ではない」と述べた。北朝鮮の対外政策に「譲歩」という選択肢はない。譲歩すれば金委員長への忠誠心が不足しているとみなされ、処罰される。表明できる措置は「超強硬」「超々強硬」しかない。
北朝鮮では15日、金主席生誕105周年を祝う式典が開かれ、祝祭ムードで盛り上がる。現地からの報道を見る限り、戦闘に備えるといった雰囲気はない。
中国は「緊張の中でも対話再開の機会を探ることができる」(13日・王毅外相)との立場を続ける。米朝対話の中断こそが北朝鮮を強硬姿勢に向かわせた最大要因との認識から、双方に対話のテーブルについて事態を収拾するよう働きかけるとみられる。 毎日新聞より

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