2016年10月2日日曜日

「実現手伝う機関ない」=トランプ氏対日政策-米元高官

【ワシントン時事】米ブッシュ前政権で国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めた知日派のマイケル・グリーン氏は、時事通信のインタビューに応じ、大統領選で共和党の候補指名獲得を確実にした実業家ドナルド・トランプ氏(69)が言及している在日米軍撤退などについて「(当選しても)米政府の政策にはならない。実現を手伝う機関が全くない」などと語った。

共和党指名争いの結果をどう受け止めるか。

気恥ずかしい。トランプ氏は世論調査史上、最も人気のない大統領選候補だ。私は自分の子供にお手本だと言えるような候補者がよかった。

トランプ氏が一部から支持を受けた理由は。

大きな要因は米社会が急速に変化しつつあることだ。トランプ氏の支持者には比較的年齢の高い白人が多く、女性が軍の戦闘任務に参加したり、移民が流入したりといった変化を快く思っていない。彼らはそれを止めたがっている。

トランプ氏は在日米軍撤退などに言及した。

トランプ氏は歴史や知識ではなく、感情に基づいて外交政策を語っている。彼が日本を批判するのは、恐らく過去の不動産取引で日本人に不満を感じたからだ。しかし、米国人も不満を感じるところがあり、だから彼は感情的なことを言っている。今回の選挙は感情の選挙だ。論理の選挙なら、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事やマルコ・ルビオ上院議員が勝利していただろう。

日本では不安視する声が出ている。

米国人も不安なんだから、恐らく日本人も不安だろう。しかし、トランプ氏の発言は米政府の政策にはならないと思う。理由はいくつかある。まずトランプ氏に賛同し、政策の実現を手伝う機関が全くない。裁判所、議会、シンクタンク、メディア、軍など、多くの機関が彼を妨害するだろう。また、本選になれば、より穏健にならないと勝てない。中国や北朝鮮に立ち向かうには同盟が必要であり、そのことも強固な日米同盟関係を志向させるだろう。しかし(政権発足当初は)大混乱が生じる。

トランプ氏を支持するか。

私はトランプ氏支持者ではない。私は同盟、自由貿易、小さな政府、人権を大切にしており、(接点は)ゼロだ。しかし、私は民主党のヒラリー・クリントン前国務長官も支持しない。環太平洋連携協定(TPP)に反対しているからだ。私のような中道右派の人間にとっては最悪のシナリオだ。行き場がない。

外交専門家として顧問団に加わる考えは。

トランプ氏は今のところ誰の話にも耳を傾けていない。顧問団には一度も会っていない。私がどうするかは分からない。トランプ氏が副大統領に実務的な人物を選べば、人々はトランプ氏は穏健だと考え、経験のない大衆迎合主義者を選べば、ヒラリー氏に投票した方がいいと考えるようになる。副大統領の選択は大きな意味を持つ。次の動きを待っている。 JIJI.COMより

0 件のコメント:

コメントを投稿

日産ケリー前代表取締役の保釈決定 保釈金7000万円 東京地裁

金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車のグレッグ・ケリー前代表取締役について、東京地方裁判所は保釈を認める決定をしました。検察はこれを不服として準抗告するとみられますが、裁判所が退ければ、ケリー前代表取締役は早ければ25日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。一方、...