2016年10月21日金曜日

FAO「世界食料農業白書」が警告

国連食糧農業機関(FAO)は17日、2016年版世界食料農業白書を公表しました。今年は、気候変動と農業・食料の関係に焦点を当てており、飢餓と貧困の根絶と地球温暖化に対応した農業経営や食料制度の変革を同時に進めるよう強調しています。

FAOのグラジアノ事務局長は白書の公表に当たり、気候変動が食料安全保障に影響を与えることは疑いないと指摘。気候変動によって人類は、狩猟・採集生活を行った不確実な時代に引き戻される。作付けした物が収穫出来なくなることは確実だと強調。

白書は、これまでと変わらないやり方を続けるなら、気候変動で50年には、4200万人がさらに飢餓の危機に直面すると警告。特に影響を受けるのは、サハラ以南のアフリカ諸国、南アジア・東南アジア諸国の貧困地域で、家畜に頼る農業を営む人たちです。

気候変動に対応して農業経営や食料制度を整備することは、複雑なものとなるだろうと白書は指摘。それでも気候変動の影響は時間とともに悪化するため、今最大限の努力をせねばならないと強調。

白書はその為に小規模農家への支援を急ぐべきだと主張。途上国では5億世帯の小規模農家がさまざまな農業環境や社会経済条件のもとで食料生産に従事しており、それぞれの条件に合った解決策を見いだすべきと提言しています。

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