【ロンドン矢野純一】欧州連合(EU)からの離脱を選択した英国の国民投票を巡り、英国からの独立を目指すスコットランド民族党(SNP)のスタージョン党首は13日、来週にもEUに残留するために英国からの独立を問う住民投票実施関連法案をスコットランド自治政府議会に提出することを明らかにした。
自治政府の首相も務めるスタージョン氏は英北部スコットランドで開かれた党大会の演説で住民投票法案の提出を表明。実施時期について「英国がEUを離脱する前」と述べ、原則2年間と定められているEUとの離脱交渉が終了するとみられる2019年3月までに住民投票実施の準備を整える意向を示した。
6月の国民投票では、スコットランド住民の62%がEU残留に投票。スタージョン氏は、EUに残留するため2014年に続く2度目の独立住民投票も「大いにあり得る」との考えを示していた。
また、スタージョン氏は、英議会でも離脱を阻止することを強調。英政府が来春の英議会に提出する、離脱の法的手続きで必要となる1972年に制定した欧州共同体(EC)法の廃止法案について「野党労働党などに協力を呼びかけ反対する」と述べた。
スコットランドでは、SNPが主導して14年に行われた英国からの独立を求める住民投票は否決されている。9月上旬に行われた世論調査では、独立派は44%と独立反対派の50%を下回っており、独立の機運は高まっていない。SNPは今年5月の選挙で、自治政府議会で63議席を獲得し与党の座を維持したが、定数129の過半数に届いていない。住民投票の実施には、自治政府議会の議決の後、英政府の同意も必要とされる。 毎日新聞より
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