「逆に攻撃し沈没させよ」。韓国国内では、中国漁船の横暴に対して、そんな強硬論まで出ているという。
韓国西方の小青島(ソチョンド)付近の黄海上で今月7日、警備中の韓国の高速艇が、不法操業していた中国漁船から体当たりされて沈没する事件が起きた。韓国国民安全庁は11日、不法操業船が取り締まりに抵抗した場合、今後は警備艦に搭載している機関砲を積極的に使用する方針を表明した。
韓国外務省も同日、邸国洪・中国大使を呼び、「直接的、組織的な挑発だ」と抗議。事件をめぐる同省の抗議は2回目で、韓国政府が事態を重くみていることがうかがえる。
黄海では中国漁船による不法操業が相次いでいる。今年は9月までに中国漁船42隻が韓国当局の取り締まりの対象となった。これに対し、中国漁船の抵抗や暴力行為も凶暴化しており、取り締まり中に2人が殉職した。
韓国紙、朝鮮日報は中国漁船をめぐる記事で、仁川にある韓国海洋警備安全本部の関係者の感想をこう紹介した。「できることなら中国漁船を艦砲で撃ってしまいたいのだが…」「中国漁船のせいで死の危険にさらされた隊員がふびんでならない」
聯合ニュースによると、韓国側の対応はすさまじい。中国漁船が韓国の警備艇などを攻撃する場合、口径20ミリのバルカン砲や40ミリ砲などの艦砲で船体を攻撃したり、警備艦艇で体当たりしたりする強硬な対応を取るのだという。
経済、軍事の分野でも両国は現在、緊張関係にある。
韓国の周亨煥(チュ・ヒョンファン)産業通商資源相が10日、ソウルで経団連の榊原定征会長と会談し、TPPについて「参画を近く正式に決める」と明らかにした。朴大統領はこれまで、中国との経済関係を重視し、TPP交渉とは距離を置いていたのにだ。
THAADの韓国への配備をめぐっては、中国が反発した。国営新華社通信は配備決定が「半島の緊張を高めた」と、朝鮮半島情勢の緊迫化の原因が米韓にもあるような見方を伝えた。
現象だけを見れば、韓国の中国離れが始まっているようにも映る。だが、ジャーナリストの室谷克実氏は「強硬方針も口ではいっているが、韓国がどこまでやるかは分からない」として、中韓関係の今後について「韓国は何だかんだいって宗主国が怖くてたまらないから、何とか手を打とうとするのではないか」と予想する。結局は「出来レース」に終わるのか。 夕刊フジより
0 件のコメント:
コメントを投稿