キザのスフインクスは古代エジプト製ではない？

画像は「Wikipedia」より引用

エジプト・ギザの大ピラミッドといえば「世界7不思議」の1つとして有名だが、実は「スフィンクス」にもピラミッド以上に摩訶不思議なミステリーが存在する。その1つがスフィンクスの建造に関するものだ。

■古代エジプト人はスフィンクスを造っていない!?

インベントリ・ステラ「Wikipedia」より引用

一般にギザの大スフィンクスは「エジプト古王国」（紀元前2686年～紀元前2185年頃）時代のファラオ・カフラー王（在位紀元前2520年～紀元前2494年頃）により建設されたと言われているが、定説を大きく覆す驚きの学説がいくつも存在するのだ。オルタナティブメディア「EWAO」の記事を参考に詳細を見ていこう。

１、
1857年、フランスのエジプト考古学者オギュスト・マリエットが、紀元前678年～525年に書かれたとされる「インベントリ・ステラ」（目録板碑）を発掘、それには神を象った22の彫像を保有していたイシス神殿やスフィンクスが、クフ王（在位紀元前2589年～紀元前2566年頃）より以前に存在していたと書かれているという。先述した通り、通説ではスフィンクスの建設者はカフラー王だとされているが、カフラー王はクフ王の後に存在した王である。クフ王でもカフラー王でもないとしたら、一体いつ誰がスフィンクスを建造したのだろうか？

２、
以前トカナで報じたように、ウクライナの研究者らが、2008年に国際会議で発表した論文で、スフィンクスの建造年代は80万年前だという驚愕の説を提唱している。科学的な分析による結論とのことだが、80万年前では文明どころか現生人類も存在しないため、宇宙人による建造ではないかとの憶測も呼んだ。

スフィンクスの建造年代が80万年前だとする研究論文「UNIVERSITY OF 
MINING AND GEOLOGY "ST. IVAN RILSKI"」より引用

ピラミッドに関しても、1万2500年前に宇宙人が建造したとの説を先日紹介したばかりだが、古代エジプト文明に宇宙人が介入していたと考える研究者は世界中におり、そのことを裏付ける多くの証拠も見つかっている。

３、
さらに興味深いところでは、超有名霊能力者エドガー・ケイシーまでも、スフィンクスの建造年代を紀元前1万500年としており、建造したのは古代アトランティス人だと語っていたというのだ。トンデモ説に聞こえるが、コンピュータシミュレーションによって建造年代を割り出した英作家グラハム・ハンコック氏も、1万500年前の春分の日に、しし座の位置がちょうどスフィンクスの目線の先に出ることを突き止めており、あながち的外れともいえない。

■スフィンクスは何のために造られたのか？

４、
また、スフィンクスの存在意義についても諸説入り乱れており、実態が掴めない状況だ。古くは、紀元1世紀の博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスが、『博物誌』でスフィンクスに言及し、古代エジプト人らはスフィンクスを“神”として崇めていたと書き記していたり、米作家ロバート・テンプルが、スフィンクスはジャッカルの頭を持つ冥界の神「アヌビス」を模したもので、アメンエムハト2世（在位：紀元前1878年～1843年）に似せて造られたと推測したりしているが、どれもスフィンクスの謎を解明する決定打にはなっていない。

画像は「The Saga of the Sphinx」より引用

５、
中には、古代エジプト神話に出てくる冥界の神「オシリス」の墓でないかとする面白い説もある。実際、日本の吉村作治教授率いる早稲田大学の研究チームが80年代にスフィンクスを電磁探査したところ、地下に2.5～3mほどの空間、両手の前に1～2mほどの空間があることや、スフィンクスの南面と北面の地下にトンネルらしきものの痕跡を発見している。少なくとも、スフィンクスは単なる彫像ではないようだ。

６、
余談だが、アメリカ人考古学者のマーク・レーナー氏によると、赤・青・黄色の染料がスフィンクスに付着していることが分かっており、かつてはきらびやかに彩色されていた可能性もあるという。

結局、スフィンクスは、いつ、誰が、何のために造ったのだろうか？　いつか全ての謎が解明されることを信じて、今後の研究に期待しよう。　トカナより