文在寅(ムン・ジェイン)氏が10日、第19代韓国大統領に就任した。
文氏は選挙中、慰安婦問題の「日韓合意を見直す」と主張していることが、日本の新聞やテレビで大きく取り上げられた。だが、就任演説ではこの件に言及しなかった。また、「親北」路線を主張していたので、北朝鮮への急接近が懸念されると日本では報じられた。
そこで、「韓国人がなぜ、この人物を選んだのか」「現在のソウルはどのような状態なのか」を知りたくて、1泊2日でソウルに行ってきた。
私が会った韓国人が文氏を選んだ動機は「反日」や「親北」だからではなく、国の立て直しへの期待からだという。特権階級とのしがらみがない文氏は、財閥偏重の韓国経済を大改革する意志と能力があると判断された。特に、若者の過酷な雇用環境改善に積極的に取り組む姿勢が支持された。
また、文氏の波瀾(はらん)万丈の半生が、国民の心を打ったようだ。学生運動家が人権専門の弁護士となり、政治家を志したという道のりが、「若い世代が支持できる穏健で理性的な指導者」というイメージに繋がった。文陣営は選挙中、それを大々的にアピールした。
当選直後、文氏の一家が自宅前で記者団に応対した写真が残っているが、私もその場所を訪れてみた。文氏は13日に青瓦台(大統領府)に移ったが、まだ引っ越し作業が続いていた。
分譲マンションだが、場所は決して便利といえない山の上で、道も狭く、建物自体も決して豪華ではない。築16年というが、もっと古く見えた。部屋もあまり広くない。以前から一般市民と同じような生活を送っていたことが、特権階級ではなく一般市民への関心を象徴していた。
文氏は選挙中から、準備が完了すれば青瓦台を一般公開し、文氏と家族は近くの職員用宿舎のような場所に移り住むと語っていたという。
昨年12月3日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を求める「ろうそくデモ」に、ソウルだけで170万人、全国併せて230万人が参加した。ソウルの現場も見に行ったが、大騒ぎの形跡はまったくなく、以前の状態に戻っていた。
町中が静まり返って、市民は普通に仕事に励んでいた。町中に「ムン・ジェイン新大統領おめでとうございます」との横断幕が道の上に掲げられている。大半の市民はホッとしているようだ。現在は蜜月状態だろう。
気になったことは、ソウルでは北朝鮮の脅威に対する緊張感がまったく感じられなかったことだ。これを「平和ボケ」と決めつけることは簡単だが、常に恐怖とともに暮らしている場合の対応策の1つでもあるだろう。 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
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