米海軍、南シナ海で「航行の自由」作戦 トランプ政権初

米海軍が南シナ海南沙諸島のミスチーフ（中国名・美済）礁で中国が造成した人工島の12カイリ（約22キロメートル）内に艦艇を派遣する「航行の自由」作戦をトランプ政権下で初めて実行した。

ロイター通信が24日報じた。中国による一方的な主権の主張をけん制する狙い。北朝鮮問題を念頭に中国との協調を重視してきたが、両国関係の緊張につながる可能性がある。

ロイター通信は関係者の話として、米海軍のミサイル駆逐艦デューイが航行したと報じた。南シナ海では領有権を巡り中国とフィリピン、ベトナムなどが争っている。中国は実効支配する環礁などを埋め立て軍事拠点化を進めている。米軍は中国をけん制するため航行の自由作戦を展開し、中国の反発を招いてきた。

１月に発足したトランプ政権は北朝鮮の核・ミサイル問題での中国の役割に期待し、米中協調を重視する姿勢をみせてきた。中国の南シナ海の実効支配や軍事拠点化に対する懸念も示してきたが、中国を刺激する同作戦の実行には消極的だとみられていた。　ロイター通信より