いわゆる「崔順実ゲート事件」は、一般人である崔と、昔からの知り合いである朴槿恵・韓国前大統領をめぐる収賄事件である。これについて憤るのが、朴前大統領の妹婿である申東旭(シンドンウク)氏(49)だ。
「まるで魔女狩りです。義姉(朴槿恵)はメディアに寄って集って歪曲報道されて世論形成が行われ、よもや実現することはないだろうと思われていた弾劾まで憲法裁判所の判事が全員一致で認めてしまった」
申氏は、妻や義姉の父・朴正煕元大統領が率いた政党と同じ名前を持つ「共和党」の総裁を務める。4月中旬の韓国ソウルでジャーナリストの竹中明洋氏がインタビューした。
これは人民裁判のようなもので、民主主義に逆行するものです。韓国の歴史に大きな禍根を残すことになりかねない。義姉は、韓国を経済成長へと導いた朴正煕氏の長女として生まれました。その生い立ち、父親の暗殺後の境遇、そして大統領になるまでの政治的な歩み、全てが韓国の現代史そのものだったが故に、格好のゴシップのネタとされました。
確かに彼女は、崔太敏・順実のような怪しげな父娘を身辺に近づけてしまったのは事実です。私の妻はそれを諫めようとして姉と対立してしまいました。
でも、義姉は弾劾されなければならないほどのことをしたでしょうか。ましてや収賄なんて。彼女は無罪を主張し、たとえ残りの生涯を刑務所で暮らすことになっても、罪を認めはしないでしょう。私の妻も「姉はそんな人ではない。空が2つに割れてもあり得ないことだ」と話しています。
〈申氏は2008年に朴槿恵氏の妹の槿令(クンリョン)氏と結婚。妻よりも14歳若い夫だ。結婚当時すでに槿令氏は、姉の朴槿恵氏によって関係を断たれていた。崔父娘と姉の関係を危惧する槿令氏が疎んじられたからだ。2013年の姉の大統領就任式には、招待もされなかったという。それでも槿令氏と申氏の夫妻は、今も朴槿恵氏のことを庇い続けている。その申氏は、朴槿恵氏が弾劾まで追い詰められた背景には、親北朝鮮の左派勢力によって仕組まれたものだという。〉
義姉は、金大中政権や盧武鉉政権の時代のような北朝鮮との対話路線と決別し、開城工業団地の閉鎖や2015年の南北軍事境界線での地雷爆発事件などで毅然とした対応をとってきました。
北朝鮮は開城工業団地で獲得した外貨を核や弾道ミサイルの開発に投じていたわけですから、当然の対応ですが、これが許せなかったのでしょう。また、韓国で深刻な正社員と非正規社員の格差是正のために労働法改定に取り組みましたが、これが既得権益を守ろうとする労組との対立を招いたのです。
つまり、義姉の追い落としということで、北朝鮮と国内の左派は共通の利害を持っていたわけです。両者は崔順実をめぐる噂話のたぐいを突破口に、連携してろうそく集会などで世論を誘導し、今回の弾劾につなげたと考えています。
金大中・盧武鉉政権の10年間で国会や司法、軍、メディアに親北的な勢力が広く浸透したことも大きかったといえます。
〈韓国国内での親北朝鮮勢力の浸透ぶりを示すものとして申氏は、朴槿恵氏の逮捕当日の朝に起きたエピソードを明かした。〉
ソウル江南にある彼女の自宅周辺でビラが撒かれていたのです。そこには「太陽民族の尊厳と気概をもち金正恩最高領導者様の統一大綱の実現に総邁進せよ」と書かれていました。軍事境界線の近くではありません。ソウルの江南ですよ。
ビラは私たちが拾ったものだけで130枚ありましたが、韓国ではこのようなビラを配ること自体が国家保安法違反にあたります。江南は特に治安の良い地区で、10mおきに監視カメラが設置されていますが、警察も誰がやったのか分からない。北の関与を疑うのは考え過ぎでしょうか。
夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年5月5日金曜日
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