これまで述べてきたように、トマホーク巡航ミサイルによるサージカル・ストライク(精密誘導兵器を使った重要目標へのピンポイント攻撃)の態勢はできあがっていると考えてよいでしょう。
メディアは南シナ海から針路を朝鮮半島に変更した空母カール・ビンソンばかりに目がいっているようですが、それ以前に横須賀を母港とする空母ロナルド・レーガンの打撃群のイージス艦12隻と巡航ミサイル原潜の約500発が北朝鮮全域を射程圏内に収めていることを忘れてはなりません。
ここにカール・ビンソンの打撃群が加われば、トマホークの数は少なくとも700~800発になる可能性があります。
二つの空母打撃群が搭載している戦闘機も、定数だと120機にものぼります。小さな国の空軍力を上回る戦力です。
米空軍のゴールドファィン参謀総長も14日、自分のツイッターに嘉手納基地に勢揃いしたF15戦闘機などが整列した写真を掲載し、「このすばらしい戦闘空軍力のディスプレーを見よ! 戦闘態勢だ!」と、米空軍のトップとしては異例のツイートをしています。
こうした米国側の軍事的圧力に対して、軍事力の行使はないのではないかと言う見方もあります。
米軍の軍事行動が起きないと予想される理由とは?
その見方の根拠は、韓国在留米国関係者12万人以上に対するNEO(非戦闘員退避行動)が実施されていないことです。使える軍事力を突きつけてはいるものの、北朝鮮側の主にソウルに対する火砲による反撃だけでも甚大な損害が出ると予想されるのに、本気で軍事力を行使するのにNEOを実施しないわけがない、というわけです。
NEOには戦争のほか災害時などについての計画もあり、福島第1原発事故の時にも実施されました。
私が知っている計画は朝鮮半島での戦争に関するものですが、12万5000人の米国関係者を10日ほどかけて、航空機でグアムに避難させるというものです。
NEOの動きは1か月前から始まり、北朝鮮は米国が本気で戦争を始める気になっていると感じるわけで、譲歩を強いるための圧力にもなるというものです。
その動きが今回は感じられないことで、米国が軍事攻撃をしない可能性もあるとの見方も出てくるのももっともではあります。
私もその通りだと思う人間の一人ですが、ひとつだけ気になっていることがあるのです。
9.11の時、米国はよもや自国本土が攻撃されるとは思っていなかった結果、アルカイダによる大規模テロを許すことになってしまいました。しかし、米国関係施設などへのテロについては事前に察知し、その標的が韓国と日本だということで、メディア関係者を含む自国民に警報を出していたのです。
大規模テロを防ぐことができなかったのですから、なにを言っても言い訳にしか聞こえないかも知れませんが、場所を特定できなかったとはいえ、事前にテロを察知した米国の情報能力の高さは、大規模テロ直後に実行犯19人を割り出したことからもうかがい知ることができます。
9.11の直前、政府からの警報を受け取ったメディア関係者を含む米国市民は、誰一人としてそれを口外することなく同時多発テロの日を迎えたのです。
今回もまた、ソウル在住の米国市民に警報が出され、直ちに地下施設などに避難する態勢にあるとしても、外部からはうかがい知ることはできないでしょう。
日本国民としては、なにが起きても驚かないよう腹を決めて、不測の事態への心づもりをするしかないのです。 MAG2NEWSより
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