2017年5月1日月曜日

緊張緩和へ自制を

国連のグレテス事務総長は28日、国連安保理で開かれた北朝鮮の核兵器開発を協議する閣僚級会合で、北朝鮮の挑発行為と日米韓の軍事演習によって緊張が高まる北東アジア情勢を念頭に、国際社会は緊張関係を管理し、緩和する取り組みを強めなければならないと各国に自制を求めました。協議を通じて、北朝鮮に対する制裁と対話の進め方を巡って米中間の隔たりも浮き彫りになりました。

グレテス氏は、北朝鮮の核実験とミサイル発射は安保理決議への度重なる違反であり、最も強い言葉で非難すると表明。一方、北朝鮮による安定を損なう活動を相殺しようとして、軍備競争と緊張の激化をもたらしかねないことをとりわけ懸念しているとも述べ、双方の判断ミスや誤解によるものも含め、軍事行動が拡大する事態は避けるべきだと強調しました。

ティラーソン国務長官はソウルと東京への核攻撃の脅威は現実だ。北朝鮮が米本土への攻撃能力を開発するのは時間の問題だとして、今行動しなければ破滅的な結果をもたらす可能性があると訴えました。

また、北朝鮮が核・ミサイル開発の放棄に向けた具体的な一歩を踏み出すまで対話には応じないと姿勢を強調。北朝鮮貿易の90%を占めるのが中国であり、中国の対北経済措置は特に重要で唯一無二で、その役割は特に重要だと経済制裁の強化を迫りました。北朝鮮との対話の枠組みには言及しませんでした。

中国の王外相は核問題を解決する鍵は中国側の手中にはないと中国への圧力を強める米国務省を牽制。誰が最初の措置を取るべきか、誰が正しくて誰が悪いのか、と言う言い争いを脇に置く必要があると述べ、6ヵ国協議の再開を呼び掛けました。

ティラーソン氏は呼び掛けた経済制裁は、北朝鮮からの海外で出稼ぎ労働者の受け入れや石炭の輸入停止なども含まれます。

ロシアのガチロフ外務次官は北朝鮮国民を経済的に窒息させ、人道状況を悪化させる制裁は行うべきではないと主張しました。

岸田外相は、核実験を含めさらなる挑発行為に対しては、より一層厳しい安保理決議を迅速に採択すべきと制裁強化に同調。ロシアは制裁強化に慎重な姿勢を示しました。

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