2017年5月17日水曜日

安保理が“パラノイア”正恩氏に断罪決議 トランプ氏不気味な沈黙、注目される政権壊滅「Xデー」

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権を排除するタイムリミットが迫ってきた。14日早朝に発射された新型弾道ミサイルは、ICBM(大陸間弾道ミサイル)に極めて近い性能を持ち、「2、3年で実戦配備される」との分析もあるのだ。世界の平和と安定を維持するため、国連安全保障理事会は16日午後(日本時間17日未明)、緊急会合を開く。ドナルド・トランプ米大統領率いる米軍は静かに包囲網を強化しており、金正恩(キム・ジョンウン)政権壊滅に向けた「Xデー」が注目されている。

「(これ以上、核・ミサイル開発を継続すれば)制裁を含むさらなる重大な措置を取る」

国連安保理は緊急会合に先立つ15日、北朝鮮による弾道ミサイル発射を強く非難する報道声明をこう発表した。

注目の制裁内容について、正恩氏を「パラノイア(偏執狂)」と断じた米国のニッキー・ヘイリー国連大使は「石油、電力、船舶、輸出に関してできる制裁が多くある」と語り、北朝鮮にとって命綱といえる「石油の禁輸」に触れた。国際社会の怒りを反映したといえる。

それだけ、北朝鮮が発射した弾道ミサイルのインパクトは大きかった。

朝鮮中央通信は15日、新型中距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験を伝えた記事で、「米国がたわいない軽挙妄動でわが共和国にやたらに手出しするなら、史上最大の災難を免れられない」という正恩氏の言葉を伝えた。

正恩氏の常軌を逸した敵意を感じるだけでなく、ミサイルの性能は確実に高まっている。朝鮮中央通信によれば、新型ミサイルは大型重量の核弾頭の搭載が可能で、新たに開発されたミサイルエンジンの信頼性も再確認したという。

韓国・聯合ニュースは15日、「米本土への『核攻撃』威嚇する北朝鮮 韓米同盟に挑戦状」という見出しの記事で、「今回のミサイルに500キログラムの弾頭を搭載すると仮定すると、射程が5500~6500キロメートルに達する可能性もある」との専門家の分析を紹介した。一般的に、射程が5500キロを超えるミサイルはICBMと呼ばれる。

ある軍事専門家は「このままでは、北朝鮮は2、3年でICBMを実戦配備できるようになる」と分析する。狂気に満ちた正恩氏がICBMを手にすれば、世界の安全はさらに危険にさらされる。国際社会に残された時間は多くはない。

安倍晋三首相は、関係各国と連携して、北朝鮮の暴発を防ぐ構えを見せている。

15日に出演したBSジャパンの番組で、今月下旬のイタリアでの先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の際、トランプ氏と意見交換する意向を表明した。7月にドイツで予定されている20カ国・地域(G20)首脳会合でも、中国の習近平国家主席や、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と個別に会談したい考えを示した。

世界最強の米軍の包囲網も強化されている。

米海軍横須賀基地を拠点とする原子力空母「ロナルド・レーガン」は16日正午ごろ、日本周辺海域の警戒任務などに当たるため、同基地を出港する。当初、ロナルド・レーガンは15日に横須賀基地を出る予定だったが、機材のトラブルが見つかり、延期されていた。

防衛関係者の間では、「ロナルド・レーガンの出港が予定よりも早まった」と指摘されている。昨年11月に長期航海から帰港し、定期点検を受けていたロナルド・レーガンは当初、「6月出港」の予定だったというのだ。急遽高まった北朝鮮の脅威に対応した可能性がある。

不気味な兆候もある。これまで北朝鮮に対し、積極的に発言を続けてきたトランプ氏が最近、北朝鮮について静かなのだ。

例えば、正恩氏が1月1日、ICBMの試射準備が「最終段階に達した」と述べると、翌日には「そんなことは起こらない」とツイッターで断言した。ところが、最近では公式の場はもちろん、ツイッターでも北朝鮮に言及することはほとんどなくなった。

トランプ氏の“沈黙”をどう受け止めるべきなのか。

火箱芳文(ひばこ・よしふみ)元陸上幕僚長は「1990年の湾岸戦争のときもそうだったが、米軍が軍事行動を起こそうとしているとき、一切の情報が消える“瞬間”がある」といい、こう続けた。

「お互いに批判し合っているうちは、まだ牽制(けんせい)している状況で、ある意味、コミュニケーションが取れている状態だ。米国は自国民の安全確保を最優先させるため、在韓米国人の退避完了が1つのサインになるだろう。米軍が極東アジアに空母を2隻置く形を取れば臨戦態勢とも言える。トランプ政権が『これ以上、放っておけない』と判断した際には、いつでも軍事行動に移るだろう」

韓国メディアによると、在韓米軍が6月、韓国に滞在する米国人の避難訓練を実施するという。

静かさが逆に危機を物語っているのか。 夕刊フジより 

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