韓国の新政権下で初めて北朝鮮がミサイルを発射。文在寅大統領にとっては最初の試練だ=AP
文氏は金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長から報告を受け、7時に国家安全保障会議(NSC)を緊急招集した。
朴槿恵(パク・クネ)前大統領は対北強硬路線を貫いたが、文氏は北朝鮮との対話が必要との立場だ。10日の大統領就任宣誓後の国民向けの演説で、北朝鮮の核問題について「解決する土台を整え、朝鮮半島の緊張緩和の転機をつくる」と強調。問題の早期解決のために、すぐにでもワシントン、北京、東京を訪れる用意があると表明。「条件が整えば平壌にも行く」と言明していた。
新政権の人事でも、南北問題の進展に力点を置いた。情報機関トップ、国家情報院長の候補に起用した徐薫(ソ・フン)氏は2007年、当時の盧武鉉大統領と金正日総書記による南北首脳会談時に国情院で北朝鮮を担当する第3次長として、大統領秘書室長だった文氏とともに準備にかかわった人物だ。
一方、北朝鮮は融和路線の文氏が大統領に就任しても核・ミサイル開発を継続する方針に変わりがないことを今回のミサイル発射ではっきりと示した。
北朝鮮は核開発こそが米国の敵視政策に対抗する独裁体制の生き残り策と信じている。米本土に届く核ミサイルをカードに金正恩体制の保証を取り付けるのが目標なので、ミサイル発射や核実験は目先の駆け引き材料というより「スケジュールに沿って、計画的に進めている」(韓国の専門家)側面が強い。
文氏は米軍による地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備にも慎重な立場だが、大統領選の際のテレビ討論会では「北朝鮮が6回目の核実験を強行し、中国が抑えられないなら配備できる」とも発言している。文氏を追い込み過ぎれば融和政策の実施が難しくなり、北朝鮮にとっても得策ではない。北朝鮮は弾道ミサイルの発射で、文氏の融和路線は本物なのか、瀬踏みしているようにもみえる。 日経新聞より
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