2016年11月27日日曜日

<モンゴル>経済苦境に 外貨規制で資本流出、通貨暴落

モンゴル経済が苦境に陥っている。主要な収入源の鉱物価格の下落や外資規制による資本流出が要因で、通貨のツグリクは暴落し、財政も急速に悪化。今夏発足した人民党政権は、国際通貨基金(IMF)の支援受け入れを検討しているが、歳出削減などで厳しい条件を課されることを不安視する声も根強い。

「経済は危機的状況だ」。チョイジルスレン財務相は8月のテレビ出演で、2011年に17.3%だった経済成長率が今年末には1.3%に急落するとの見通しを伝えた。

6月の総選挙では、経済難と汚職まん延の責任を問われた民主党が惨敗し、人民党に政権交代した。財務相が経済悪化の原因として指摘したのは、前政権が中国企業の資源あさりを抑え込む目的で12年に施行した外国企業の投資規制法だ。

同法によって、中国よりむしろ日本や欧米の投資が減り、11年には46億ドル(約5200億円)余りあった外国直接投資が今年6月には3500万ドルまで急減した。資本流出でツグリクは6月から20%以上下落している。依存度が大きい銅や石炭価格の下落も同国経済を直撃。主な輸出先の中国で経済成長が鈍化し、輸出が大幅に減少したことが響いた。

モンゴル政府・政府系銀行の外貨建て債務のうち、約21億ドル相当が17~18年に償還予定で、金融市場では債務不履行(デフォルト)を懸念する声も出ている。

現地の外交関係者によると、人民党政権は経済再建のためIMF支援下で財政の健全化を目指す方向という。一方、民主党などはIMF支援に反対し、中国への依存を強めて活路を見いだすことを主張する。中国は外交面と経済面でモンゴルでの影響力拡大を図りたい思惑があり、経済援助に積極的な姿勢を示しているためだ。

「IMF受け入れが大きな流れ」(同関係者)との見解がある一方、来年5月または6月に予定される大統領選を控えて政権の動きは鈍い。野党がIMFと選挙を絡めて「IMFが入ると、社会保障費や教育費の予算が極端に削減され、国民はさらに窮地に追い込まれる」と主張しているためだ。

政権内には選挙前に国民負担を前面に掲げることにためらいがあり、議論が加速しないのが実情だ。  yahooニュースより

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