2016年11月13日日曜日

トランプ氏、銃撃の標的に 防弾チョッキ着用 全米で抗議デモ拡大、一部暴徒化

過激発言に対するブーメランなのか。次期米大統領に決まった「暴言王」ドナルド・トランプ氏(70)への抗議運動が全米に広がっている。イスラム系移民やメキシコ人らに対する排外主義的な発言を繰り返してきたこともあって、選挙後も「反トランプ」の動きは大きく、一部は暴徒化。専門家からは、何者かがトランプ氏の命を狙うなど、極端な行動に出ることも「あり得る」との意見も上がっている。 

「Not our president(トランプは私たちの大統領ではない)」「New York hates Trump(ニューヨークはトランプを嫌っている)」

米紙ニューヨーク・タイムズは、ニューヨークで9日に行われた抗議活動で、そんな叫びが上がったと報じた。

同紙によると、ソーシャルメディアで火がついたデモは10日早朝まで続いた。最大規模のデモがあったロサンゼルスではトランプ氏の肖像を焼き、高速道路を封鎖する動きも見られた。同様の活動は全米各地であり、警察当局によると逮捕者も出たという。

共和党の指名争いレース中から、トランプ氏に反発する行動は度を超えていた。3月にはイリノイ州で予定されていた演説が「保安上の理由」で中止となり、オハイオ州で開かれた集会でも同月、反対派の男性がトランプ氏の演説中に壇上に駆け上がろうとした事件が起きた。

ニューヨーク・タイムズのコラムニストが暗殺のシナリオをほのめかしたり、ネットメディアの編集者が暗殺の可能性を指摘したりしたこともあったとされる。

米メディアによると、トランプ氏陣営には2015年から脅迫状が届き、トランプ氏は、公の場に出る際には防弾チョッキを着ているという。警戒は強まっていたはずだが、今月5日には、ネバダ州で行われた演説で、観衆の中から「銃だ」という叫び声が上がり、トランプ氏が警護要員に抱えられ、避難することがあった。

米国では過去には現職の大統領が暗殺される事件もあった。現在のオバマ氏を含む歴代大統領44人のうち、4人が凶弾に倒れた。また、暗殺未遂、暗殺の計画が明らかになったのは、公の記録が残っているだけでも16人に上っているとされる。

19世紀には、エイブラハム・リンカーン(1809~65)、ジェームズ・ガーフィールド(1831~81)の2人、20世紀に入ってからも、ウィリアム・マッキンリー(1843~1901)、ジョン・F・ケネディ(1917~63)の2人が暗殺された。テキサス州のダラス市内をパレード中、銃撃されて死亡したケネディの暗殺事件はその後、実行犯として逮捕された男も射殺され、今も謎の多い事件として取り上げられることが多い。

未遂に終わり、幸い命は取り留めたのはロナルド・レーガン(1911~2004)だ。1981年にワシントンでホテルから出たところを短銃で撃たれ、重傷を負った。この際、頭部に銃弾を受けたブレイディ報道官(当時)は下半身不随となった。

トランプ氏に暗殺の手が伸びることはあり得るのか。国際政治アナリストの菅原出(いずる)氏は「可能性はなくもないのではないか。反発している人が多いから、あくまでも可能性だが、労力を使っても大統領就任を阻止しようとする人が出てきてもおかしくはないだろう」と話す。

一方で、菅原氏は「ただ、要人を暗殺するというのは、よほど計画的に、組織的にやらないとできないことだ。当然トランプ側も警戒して警備を強化するだろうし、そういう試みがあったとしても未然に防がれることもあり得る」と説明する。

選挙後には民主、共和両党に団結を訴えるなど、発言がトーンダウンしているようにも見えるトランプ氏。有事を警戒しているのか。 夕刊フジより

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