アジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議は18日(日本時間19日未明)に2日目の協議を終え、「保護主義に対抗する」との共同声明を採択して閉幕した。21の国・地域全体に広がる新たな自由貿易圏の実現への決意も示した。閣僚級の合意を踏まえ、19~20日に首脳間でさらに協議する。
閣僚会議では、英国の欧州連合(EU)離脱決定など、欧米を中心に懸念が強まる「保護主義には戻らないことで合意した」(共同議長を務めたペルーのフェレイロス貿易・観光相)。
共同声明では「自由貿易に対する懐疑的な見方と貿易の伸びの停滞に対処するため、開かれた経済を実現することの重要性を強調」するとした。
APEC域内の貿易自由化については、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の実現に向けた課題をまとめた研究報告書を採択し、首脳に承認を要請した。閣僚会議での議論を受け、首脳会議でも今後のFTAAPの交渉方針を巡って協議が続く見通しだ。
米大統領選では自由貿易に否定的なドナルド・トランプ氏が勝利し、自由貿易の恩恵が行き届いていない人々の不満が表面化した。世耕弘成経済産業相は「自由貿易体制が誤った攻撃対象にならないよう、国内の成長・分配を進めていかなければならない」と述べ、社会政策の充実が課題になるとの認識を示した。
日本の提案を踏まえ、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)と同様に、世界経済の不確実性に対処するため各国が「金融、財政、構造改革のすべての手段を動員する」ことも訴えた。
日経新聞より
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2016年11月19日土曜日
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