2018年5月28日月曜日

外国人への日本語教育「国に責務」

超党派の国会議員連盟が議員立法での制定を目指す「日本語教育推進基本法」(仮称)の要綱が27日、明らかになった。国内で生活する外国人への日本語教育は「喫緊の課題」であるとし、国と地方自治体に、施策を策定し実施する責務があると初めて明記した。政府は、外国人労働者の大幅な受け入れ拡大を検討しており、日本語教育の推進によって受け入れ環境を整える。29日の議連会合に要綱を示した上で条文化し、今国会での法案提出、成立を図る。

2017年末の在留外国人は約256万人で過去最多。増加が続く一方で、日本語が不自由なために孤立したり、仕事や生活上の支障を抱えたりしているケースも多い。

要綱は、日本語教育の意義を「多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現に資する」と強調。希望する全ての人に日本語教育の機会を確保することを基本理念とし、日本語教育を効果的に推進するための基本方針の策定を政府に求めている。地方自治体には、国との役割分担を踏まえた施策を責務としている。

日本語教育を充実させる対象として、外国人の児童生徒▽外国人就労者▽技能実習生▽難民などを挙げた。国は、日本語教育の質の保証を図るため、日本語教師の養成や資格の整備、教育課程や教材の開発などの施策を講じる。

また、所管省庁があいまいな現状を改善するため、文部科学省や外務省など関係省庁の調整を図る「日本語教育推進協議会」を政府が設置。関係省庁は、有識者などでつくる「日本語教育推進専門家会議」の意見を聴くとしている。

日本語学校などに行政のチェックが行き届いていない問題に関しては、教育水準向上のための評価制度などの整備を検討するよう国に求める。

このほか、海外での日本語教育の水準向上のため、国は外国人教員の育成支援に努めるものとした。

議連は「日本語教育推進議員連盟」(会長・河村建夫元官房長官)。与野党の国会議員約50人が2016年11月に発足させた。西日本新聞より

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