ロシアの極東地域では、中国企業による森林の乱伐採に抗議する集会が各地で行われた。抗議者は、中国企業が木を伐採した後、森林再生のための植林活動を行なっておらず放置したと批判した。米メディア・ラジオ・フリー・アジア(RFA)が30日報じた。
シベリア地方のイルクーツク市とウラン・ウデ市ではこのほど、市民が中国企業による森林伐採に反対する集会が相次いで行なわれた。
ウラン・ウデ市中心部での集会では、「今、中国企業がウラン・ウデにやってきた」と懸念を示し、抗議者らはイルクーツク市とクラスノヤルスク市(シベリア地方中部)の森のほとんどは、中国企業の乱伐採で消えたと訴えた。
市民らによると、中国企業は50年間の長期森林投資プロジェクトとしての約束をしたという。しかし、「植林を全くしておらず、伐採後、森は草木のない荒野に変わり果て荒れ放題だ」と糾弾した。
ロシアメディア「newizv.ru」などは3月、中国企業が1億ドル(約109億円)余りの安さで、シベリア西部のトムスク地区で、松や雲杉など高級木材が取れる針葉樹林「タイガ」を50年間租借したと報じた。中国企業「RosKitInvest」が借り手だという。同社の親会社は、中国林業大手の中航林業有限公司(AVIC Forestry、山東省煙台市)。
また、同社が借りた森の広さは数百万ヘクタールだ。1ヘクタールあたり1000~5000本の樹が生えていることから、ロシアメディアは中国企業が莫大な木材資源を手に入れたと危惧した。
報道によると、同社がトムスク州政府と交わした契約書では、2022年まで、州内で家具生産会社や木製品加工会社など10社を設立していくことを承諾した。投資規模は300億ルーブル(約525億円)。しかし、実際には木材の切断会社2社しか設立していない。貴重な木材のほとんどは中国国内に運ばれたという。
人口が非常に少ないシベリア地方では、中国企業による違法伐採の確認が難しいことも問題だと指摘された。
ロシア世論では、中国企業による森林資源の乱獲について関心が高まり、ロシア政府の対応に関しても不満が噴出した。
シベリア東部にあるブリヤート共和国のアレクセイ・ツィデノフ首長はこのほど、地元メディアに対して、中国企業が森林租借契約に対して違反があった場合、契約を取り消すとの考えを示した。同時に、「今はロシアの森林に中国企業はもういない」と強調した。
RFAによると、ロシアのネットユーザーが首長の発言について、「森で中国人が伐採しているのを実際に見た」と否定した。また、「世論をミスリードしている。実際の資源の乱獲はもっと深刻だ」と批判した。大紀元日本より
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2018年5月31日木曜日
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