2018年5月31日、中国紙・環球時報は「日本が中国に遅れまいと黙々とインド洋で港湾進出している」とする記事を掲載した。
記事はまず、巨大経済圏構想「一帯一路」が進展するにつれて、スリランカやパキスタンなどインド洋沿岸諸国への中国のインフラ投資が増加し、共同開発による港湾整備プロジェクトがいくつも進められている中、東アジアのもう一つの経済大国・日本の「最近の忙しい動き」に海外メディアが注目していると報じた。
その上で記事は、米海事業界誌のマリタイム・エグゼクティブ(電子版)が29日、日本のインド洋での港湾進出について「中国の『一帯一路』に比べて日本の活動は大きく宣伝されていない。だがそのことは、日本がこの地域でのインフラ整備に積極的であるという事実を覆い隠すことはできない」と報じたことを紹介した。
マリタイム・エグゼクティブは「日本のインド洋地域でのインフラ投資の規模は、中国に匹敵するか、時にはそれを上回ってもいる」と指摘。日本が2015年、今後5年間で約1100億ドルの質の高いインフラ投資をアジア地域に提供することを盛り込んだ「質の高いインフラパートナーシップ」を発表し、翌年には投資額を約2000億ドル、対象地域をアジアからアフリカや南太平洋を含む全世界に拡大したことを紹介した。
マリタイム・エグゼクティブはさらに、日本が2016年以降、モザンビーク・ナカラ港(3億2000万ドル)やケニア・モンバサ港(3億ドル)、マダガスカル・トアマシナ港(4億ドル)などに投資していると紹介した。
記事は続けて、読売新聞が最近、「日本政府は、ミャンマーとスリランカ、バングラデシュのインド洋沿岸3か国で、円借款による港の整備に乗り出す」と報じたことを取り上げた。
読売新聞によると、港を整備する候補地は、ミャンマー南東部ダウェイ、スリランカ北部トリンコマリー、バングラデシュ南東部マタバリの3カ所。ダウェイでは、日本、ミャンマー、タイの3か国共同で新港を建設し、開発には数百億~2000億円程度かかるとみられる。トリンコマリーでは、日本、スリランカ、インドの3か国で港を拡張し、整備費は100億~130億円程度を見込む。マタバリには数百億円規模の費用を投じて新港を建設する。読売新聞は「日本はいずれの計画についても、各国と政府間協議を水面下で始めており、国際協力機構(JICA)も整備計画案づくりに取りかかっている。来年にも政府間でそれぞれ正式合意したい考えだ」と伝えている。
記事はこうした報道を紹介した上で、「日本がインド洋で黙々と港湾進出している」ことについて、「中国は、『真珠の首飾り』と呼ばれる海洋戦略に基づき、スリランカやパキスタン、バングラデシュ、ミャンマーの港湾整備を支援している。日本は、安倍首相が掲げる『自由で開かれたインド太平洋戦略』の一環で、アジアから中東、アフリカをつなぐシーレーン(海上交通路)を確保する狙いがある」と読売新聞が伝えたことを紹介した。レコードチャイナより
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2018年5月31日木曜日
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