スリランカのマンガラ・サマラウィーラ(Mangala Samaraweera)財務相は20日、前政権が進めた巨額プロジェクトのために債務返済額が過去最高の水準に膨らんでいると述べ、同国が債務危機に向かっているとの認識を示した。前政権は中国からの融資でインフラ開発を進めたが、多額の借金と重い金利としてそのツケが回っている。
サマラウィーラ氏によると、今年の元利の支払額は28億4000万ドル(約3150億円)に達する見通し。大半はマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapakse)前大統領の下で巨費を投じたプロジェクト向け融資の返済分となっている。
サマラウィーラ氏は、危機は来年「さらに悪化」し、支払額は42億8000万ドル(約4750億円)に膨れ上がると予想した。
中央銀行によると、スリランカの外貨準備高は4月末時点で99億ドル(約1兆1000億円)。
サマラウィーラ氏は、ラジャパクサ政権は10年に及んだ統治の最後の年に、計15億ドル(約1600億円)相当の高金利のローン2件を組んだと指摘した。
当局によると、ラジャパクサ氏は大型プロジェクトの資金を中国に大きく頼ったが、プロジェクトの多くは経済規模が870億ドル(約9兆6600億円)程度のスリランカにとって重い負担になった。
2015年の大統領選でラジャパクサ氏が落選した後、政府は、赤字を垂れ流し続けていた南部ハンバントタ(Hambantota)港の運営権を中国企業に譲渡せざるを得なくなった。
同氏の名前を冠したマッタラ・ラジャパクサ国際空港(Mattala Rajapaksa International Airport)も、収入不足で職員の給料も払えなくなり、同じ運命をたどりつつある。同空港を拠点とする航空会社は1社だけで、民営化の取り組みも滞っている。
スリランカは2016年6月、債務危機のため国際通貨基金(IMF)から3年で15億ドルの融資を受けている。(c)AFPより
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2018年5月21日月曜日
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