北朝鮮と国境を接する中国の丹東で、尋常ならざる動きが感知されている。丹東の駅に巨大な間仕切り壁が設置されるなど物々しい雰囲気が漂っており、現地では「金正恩党委員長が来たのではないか?」との噂が広がっている。
北京に「特別列車」到着か?
中朝国境地帯では飢えた兵士がたびたび略奪・強奪事件を起こしている。2014年には初級将校が脱北し、中国側で70代の老夫婦など4人を射殺する事件などが起きているが、今回の厳戒態勢はこうした事情とは別のようだ。
中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋によると、1週間ほど前から駅舎に間仕切り壁が設置され、北朝鮮から鴨緑江を渡ってやって来る列車の様子が見えなくなった。その頃から、「あの方(金正恩氏)が中国に寄ってロシアに行くのではないか」という「金正恩氏訪中」の噂が広がり始めた。
25日の午前と午後、現地の中国公安局は駅周辺にある蛇腹状のバリケードを開閉する訓練を行った。さらに午後10時からは駅や、北朝鮮と中国を結ぶ鴨緑江大橋(道路鉄道併用橋)を閉鎖した。
「夜10時から丹東駅が完全に閉鎖され、20分から40分の間をおいて2編成の列車が瀋陽方向に向かって走り去った」(現地情報筋)
この4日前からは、鴨緑江大橋の周辺に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)所属のものと思われる船舶が待機している様子が目撃されているのだ。
「2011年に金正日総書記(当時)の乗った列車が丹東駅を通り過ぎるときにも、北朝鮮軍が鴨緑江大橋の監視を行っていた。あの時と雰囲気が似ている」(現地情報筋)
2011年に金正日氏が8日間の日程で中国を訪問したときには、列車で北京を発ち瀋陽、丹東を経て北朝鮮に帰国するルートを利用した。その当時も丹東駅は完全に閉鎖され、鴨緑江大橋の周辺には公安と国境警備隊が配置され完全に閉鎖された。
「北朝鮮から高官が来たため、国境統制が強化された」と述べた丹東の住民は、「25日の夜10時から警戒がさらに強化された」と伝えた。高官が誰なのかはわかっていないが、北朝鮮発の特別列車が厳しい警戒態勢の中で夜中に通過したことを考えると、最高クラスの高官であると思われる。
別の市民は「先週末から駅も税関周辺も警戒が厳しくなっている」「税関が閉鎖され、先週金曜日に中国に入国したトラックが26日午前の時点でも北朝鮮に帰国できずにいる」と述べた。この市民も、北朝鮮の高官が来たものと見ている。
緊張した雰囲気は北京でも感知されている。北京の情報筋は、1週間前から中国外務省が北京駐在の北朝鮮大使館の関係者と異例の全体ミーティングを行うなど、注目すべき動きが起きていると伝えた。
「以前とは異なる話が行き交っている。まもなく中朝関係改善などのいい話があるとの話も耳に入っている」(情報筋)
現時点での情報を照らし合わせると、金正恩氏が電撃的に訪中した可能性がある。また、
日本テレビは26日午後、北京に到着した北朝鮮の列車を捉えた。この列車は、2011年に金正日総書記が訪中した際に乗っていた特別列車と極めて似ているという。
もし金正恩氏が訪中するとなれば、習近平国家主席と会談する可能性が高い。この数年間、中朝関係は悪化の一途を辿っていた。今年1月に、北朝鮮当局は日本以上に中国への警戒心を高めることを訴えていた。
それでも、金正恩氏にしてみれば、4月の南北会談と5月の米朝会談が予定される中、それまでには中国の習近平氏と会っておきたいところだろう。中国をないがしろにした形で米韓との関係を築けば後々しこりが残ることは、さすがの金正恩氏も十分にわかっているはずだ。
いささか早急だが、金正恩氏が習近平氏に会うには今がギリギリのタイミングなのかもしれない。夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年3月27日火曜日
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