● 韓国の李明博元大統領が 収賄や背任などの疑いで逮捕
3月23日の深夜、李明博元大統領が、収賄、背任、脱税、職権乱用などの容疑で逮捕された。大統領在任中に、国家情報院に特別活動費を上納させたほか、李元大統領が実質的な所有者と言われる自動車部品会社を通じて多額の秘密資金を作り、さらに訴訟費用をサムスン電子に負担させた見返りに、サムスンの李健熙会長に恩赦を与えた疑いが持たれている。
李元大統領の収賄額は、110億ウォン(約11億円)、生み出した秘密資金は350億ウォン(約35億円)に上るとされる。逮捕状請求に対する審問は22日に行われる予定だったが、李元大統領が出席を拒否したため、書類審査のみで審問が行われ逮捕状が発付された。
今回の逮捕に関し、李元大統領は逮捕前、「政治報復である」と批判していた。確かに、文在寅大統領の盟友だった盧武鉉元大統領が、収賄などの容疑で取り調べを受けた後に自殺しており、それに対する「報復」だったのではないかとの見方が根強くある。
その真偽は不明だが、いずれにしても韓国の大統領経験者の末路は、何とも悲惨なものだ。李元大統領の逮捕は、2017年3月の朴槿恵・前大統領に次ぐものであり、全斗煥、盧泰愚の両元大統領を加えると、これで4人目である。
● 虐げられていた人たちが 一斉に反抗に転じるから
逮捕されなくても、前述した盧元大統領は、取り調べ後に自殺したし、朴正熙元大統領は暗殺、李承晩、崔圭夏の両元大統領はデモやクーデターを受けて退陣、そして金泳三、金大中の両元大統領はいずれも息子が逮捕されるなど、不幸な最後にはいとまがない。
なぜ、こんなにも不幸な末路をたどるのか。それは、大統領在任中は絶大な権力を持ち、誰もこれに背くことはないが、いったん権力の座から離れれば、それまで虐げられてきた人たちが、一斉に反抗に転じるからだ。
韓国には、朝鮮王朝時代から「三族を滅す」という言葉がある。宰相が変われば、その前任者の父母、兄弟、妻子を抹殺しないと、自分が仕返しを受けるという恐怖心を表した言葉だ。
こうした伝統が、今なお存在するのかは不明だが、近年、保守政権と革新政権が、ほぼ2代10年ごとに入れ替わってきた。政権交代が起きると、それまで政権の中枢にいた人たちは行き場がなくなり、冷や飯を食わされる。そこで、次に政権を奪ったときに仕返ししようということになる。これを繰り返してきたのが、韓国という国なのだ。
今回、李元大統領の逮捕容疑にはサムスンとの関係が問題視されているが、大統領が失脚する際の特徴として、財閥や企業との関係が問われるケースが多い。背景にあるのは、韓国の財閥が、常に政権と密着して活動していることがある。
● 文大統領を批判することに 慎重にならざるを得ない雰囲気
一方、北朝鮮との交渉に関しても懸念されている。
北朝鮮の金正恩労働党委員長との首脳会談が間近に迫り、文大統領はますます “前のめり”姿勢になっている。だが、李元大統領まで逮捕されたとなると、韓国国内では、文大統領を批判することに対し慎重にならざるを得ない空気になっている。
主要マスコミは、対話を行うこと自体については総論賛成だ。ただ、北朝鮮の核ミサイル放棄に対しては懐疑的な見方をしており、今のところ、その交渉の進め方については慎重な対応を求めている。
ただ、韓国の大統領は日本の首相とは違い、国会で叩かれることはない。そこでマスコミも批判を自重するとなれば、大統領をけん制する勢力はなくなる。
李元大統領の逮捕が、金正恩委員長との首脳会談前に行われたことについて、国内の反対を封じようという意図があるのか否かは分からない。しかし、影響があることだけは否定できないだろう。 yahooニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年3月26日月曜日
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