2018年3月27日火曜日

北朝鮮の金委員長が中国を電撃訪問、米国「把握せず」-関係者

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が北京を電撃訪問した。関係者3人が明らかにした。2011年の権力掌握以来、金正恩氏の外国訪問が伝えられたのは初めて。
 
情報の機密性を理由に匿名で語ったこれら関係者によると、滞在期間や会談相手など詳細は現時点で不明。共同通信は北朝鮮の要人用とみられる列車が中朝国境の丹東を通過した可能性があると報道。日本テレビは正恩氏の父、正日氏が2011年の死去直前に北京を訪問した際に使用したものに似た列車が26日に北京に到着した映像を報じていた。

米国は金委員長の北京訪問について事前に知らされていなかったようだ。ホワイトハウスのシャー副報道官は26日、記者団に対し、金委員長の北京訪問の報道を自分は確認できないとした上で、「こうした報道が正しいかどうか、われわれは分からない」と発言。
 
「私が言えるのは、米朝関係が以前より改善しているということだ。世界の数十カ国と連携してトランプ大統領が最大限の圧力を加えたことが結果をもたらし、北朝鮮を交渉のテーブルに着かせた」と語った。国務省報道官ジュリア・メイソン氏に質問したところ、「中国側に問い合わせてほしい」との短い返答があった。

蚊帳の外望まず

ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(カリフォルニア州)の研究者メリッサ・ハナム氏は「この会談が確認されれば、数週間後にトランプ氏と金正恩氏が臨む写真撮影よりも生産的な出来事になるかもしれない」と指摘。「北朝鮮は恩知らずな弟のように見られることが多いが、最近の緊張の高まりや核およびミサイル能力の向上を考慮すれば、中国はこの機会を真剣に受け止めるだろう。蚊帳の外に置かれることは望んでいない」と説明した。

トランプ大統領は今月8日、金委員長が核兵器プログラムの廃止の話し合いに前向きだと鄭義溶・韓国国家安保室長らから聞き、米朝首脳会談の提案を受け入れた。北朝鮮の国営朝鮮中央通信はまだ米朝首脳会談を確認しておらず、会談場所や日時は依然調整中だ。
 
ペンシルベニア大学法科大学院で中国の法と政治を教えるジャック・デリスル教授はインタビューで金委員長と中国側の会談について、「恐らく、中国側としては金委員長が米朝首脳会談に何を期待するか、そして何を目指すかを把握したいとも考えており、さらに当然ながらそれに影響を及ぼそうとするだろう」と指摘。金委員長が権力掌握後、中国を訪問するまでにこれほどの時間がかかったことについては、「中朝関係の緊張」が反映したとし、「中国は金委員長体制の北朝鮮への不満を募らせてきた」と説明した。
 
緊張関係
中朝関係は、北朝鮮のエネルギー輸入と外貨獲得を規制する制裁措置を中国が支持したため緊張した。中国は北朝鮮の核兵器開発に反対しているものの、金体制の崩壊や朝鮮半島での戦争勃発は望んでいない。情勢が不安定化すれば、難民の大量流入や、国境に米軍が配備される事態を招きかねないからだ。
英国の元駐北朝鮮外交官で、現在は英王立国際問題研究所のアソシエート・フェローを務めるジェームズ・エドワード・ホア氏はインタビューで、「これまでも北朝鮮の要人が北京に赴いて、今後どうすべきかを話し合った前例がある」と述べた上で、「訪問が事実なら、恐らく米国側との会談にどう対処すべきか、助言を求めるのが目的だろう」と指摘した。yahooニュースより

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