2018年3月31日土曜日

日中間の「海空連絡メカニズム」ようやく構築へ

2018年3月30日、東シナ海で日本と中国の航空機や艦艇による偶発的な軍事衝突を避ける「海空連絡メカニズム」がようやく構築される見通しになった。第1次安倍政権時の07年の日中首脳会談で、交渉開始で合意したものの、12年の沖縄県・尖閣諸島国有化に中国が反発。交渉が難航していた。

海空連絡メカニズムは不測の軍事衝突が起きるのを防ぐため、防衛当局間で緊急時に連絡を取り合う枠組み。現場の当事者が直接、連絡を取る方法を決めたり、政府や防衛当局間で複数のホットラインを設けたりするのが一般的とされる。

中国とは07年4月、
安倍晋三首相と温家宝首相(当時)の間でメカニズムづくりの協議開始が決まった。翌年4月に北京で第1回協議が開かれ、12年6月の第3回協議で大枠について合意した。

しかし、部隊間が直接通信する対象地域をめぐって両国が対立。日本がロシアとの海上事故防止協定と同様に領域(領海・領空)を対象外とするよう求めたのに対し、中国は領域を含めるよう主張した。尖閣諸島の領有権を主張する中国とは領域の範囲の認識が異なり、協議は停滞していた。

その後、17年秋の事務レベル折衝で、対象地域を明示せず、領域に関する記載を避ける案が浮上。12月には中国・上海で開かれた第8回協議で、「双方は防衛当局間の海空連絡メカニズムの構築および運用開始について前向きな進展を得た」と発表。防衛当局間の交流を強化し,相互信頼を増進していくことでも一致した。

日本メディアによると、5月に東京で開催される安倍首相と
李克強首相との日中首脳会談で、両首脳が連絡メカニズムの合意・運用開始を確認。防衛当局間で覚書に署名し、会談の成果として打ち出すという。これに先立ち、4月中に事務レベルで運用の詳細を詰めた上、5月中の運用開始を目指すが、合意を優先して対象地域は明示しない方向とされる。

中国が海洋進出を強める中、東シナ海上空では航空自衛隊のF15戦闘機などと中国軍機とにらみ合う事態が頻発。16年6月には日中の戦闘機が「一触即発」の危機となり、日本側はドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれ、不測の状態が生起しかねないと判断し、熱源を感知するミサイルから逃れる花火のようなものをまく自己防御装置(フレア)を使って離脱した。

防衛省によると、3月23日にも沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を中国軍のH6爆撃機4機、TU154情報収集機1機、Y8電子戦機1機、戦闘機(推定)2機の計8機が通過。F15戦闘機が緊急発進(スクランブル)した。海でも1月に「商級」の攻撃型原子力潜水艦が尖閣諸島の接続水域を初めて潜没航行するなど、中国海軍の活動がエスカレートしている。

レコードチャイナより

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