2018年3月27日火曜日

北朝鮮問題、日米の方針は完全に一致=河野外相

河野太郎外相は27日、ロイターとのインタビューで、対北朝鮮政策を巡って「日米は完全に一致している」と語った。その上で、両国は米国本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)だけでなく、日本を射程に収める中・短距離弾道弾の廃棄も必要との認識を共有していると述べた。

北朝鮮問題を巡っては、4月末に南北が、5月末までに米朝が首脳会談を開く。日本は安倍晋三首相が4月に訪米し、トランプ大統領と対応をすり合わせたい考え。河野外相は「米国と日本はこの北朝鮮問題で完全に一致している。北朝鮮が完全で不可逆的、検証可能な核放棄へ具体的に動くまで、国際社会全体が最大限の圧力をかけ続けることが重要だ」と語った。

専門家の間には、北朝鮮の核・ミサイル開発について、米朝首脳がICBM未完成の現状凍結で合意し、北朝鮮がすでに保有している中・短距離ミサイルは廃棄されない可能性を指摘する声がある。

河野外相は、3月中旬に訪米した際、米側とICBMだけでなく、中・短距離ミサイルの廃棄も必要との認識をすり合わせたことを明らかにした。河野外相は「完全に同意している」とした上で、日本と韓国に駐留する米軍の存在に触れ、「何万人もの米兵とその家族がミサイルの射程内にいる。米国は中距離、短距離ミサイルも懸念している」と語った。

南北と米朝の首脳会談がそれぞれ予定されていることに加え、26日から27日にかけ、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が列車で中国を訪れたとの報道がある。河野外相は日朝の首脳会談の可能性について、「金委員長が、いや、彼ではないかもしれないし、彼かもしれないが(中国へ)行った。(北朝鮮の)誰かが東京に来る可能性だってある」と述べた。

このほか河野外相は、トランプ政権が鉄鋼とアルミ関税の対象から日本を除外していないことに言及。日本の鉄鋼・アルミ製品の多くは、米自動車メーカーが使用しており「米国の自動車産業の競争力に影響する可能性がある」と語った。さらに、米国が世界貿易機関(WTO)協定に違反しないようけん制した。

専門家の間には、米国が関税という圧力をちらつかせ、日本と2カ国間の自由貿易協定(FTA)に持ち込もうとしているとの見方がある。河野外相は「日米にはペンス副大統領と麻生(太郎)副総理の間に経済対話がある。経済問題はそこで話し合う」と指摘。

「米国がTPP(環太平洋連携協定)に復帰することを期待している」と語った。

森友問題で安倍晋三首相の支持率が下落する中、河野氏は次期首相候補の1人として名前が挙がる。河野氏は、9月の自民党総裁選に立候補するかどうかについて、「適切な時期と判断すれば動く」と述べるにとどめた。infoseek newsより

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