2017年11月24日金曜日

“米中露包囲網”で正恩氏パニックか 金融・エネルギー締め上げへ

ドナルド・トランプ米大統領が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮を崖っぷちに追い詰めようとしている。米財務省が21日、北朝鮮の資金源遮断に向けた制裁対象を追加指定したうえ、トランプ氏は同日、ロシアのプーチン大統領と電話首脳会談を行ったのだ。正恩氏への「最後通告」に関与した中国の習近平国家主席とともに“米中露対北包囲網”が構築されるのか。こうしたなか、正恩氏が米軍のB1B戦略爆撃機の飛来に脅えているとの情報も飛び込んできた。狂気の正恩政権を排除するため、朝鮮半島は「異次元の緊張状態」に突入する。
 
ホワイトハウスによると、トランプ氏は21日、プーチン氏と1時間以上にわたって電話で会談した。通訳を入れても、電話首脳会談としては異例の長さだ。両首脳は、トランプ政権が「テロ支援国家」に再指定した北朝鮮への対応や、シリア情勢などについて協議したという。

米財務省も同日動いた。

北朝鮮の「核・ミサイル開発」の資金源を断つため、同国と巨額の取引があり、大量破壊兵器に関わる北朝鮮のフロント企業とも関係があった中国人実業家1人と、企業4社、北朝鮮の政府機関と企業の計9団体と北朝鮮船籍の船舶20隻を、新たに米国の独自制裁の対象に指定した。

トランプ氏は前日、北朝鮮の「テロ支援国家」への再指定を発表した際、北朝鮮が核兵器で世界を威嚇している現状を踏まえて「何年も前にこうすべきだった」「再指定で『犯罪政権』を孤立させるため、『過去最大水準』の追加制裁を実施する」と予告していた。

スティーブン・ムニューシン財務長官は声明で、「外部の貿易や収入源から北朝鮮を孤立させるため、経済的圧力を最大化する米国の決意に揺るぎはない」と強調した。

今後2週間で、さらに制裁を強化する方針だ。

トランプ氏が電撃的に動いた背景には、先日のアジア歴訪で、安倍晋三首相とアジアの平和と安定に向けた「日米同盟の絆」を再確認したうえで、中国の習主席と北朝鮮問題について深く話し合ったことがある。

日米情報当局関係者は「米中両国は8月、人民日報系の環球時報と、ウォールストリート・ジャーナル上での往復書簡で、北朝鮮について『暗黙の了解』をしたとされる。『北朝鮮という国家は残す』『正恩氏は排除し、核・ミサイルを完全放棄させる』『米中戦争にはしない』というものだ。北京での米中首脳会談でこれが再確認され、習氏の特使として中国共産党中央対外連絡部の宋濤部長が北朝鮮に派遣された」と分析する。

宋氏は、米国の「最後通告」を朝鮮労働党幹部に伝達したとみられる。正恩氏には会えずに20日帰国した。トランプ氏が「テロ支援国家」の再指定を発表したのは時差こそあるが、同じ20日である。

米露電話首脳会談が21日に行われた意味は大きい。

正恩氏の祖父で、北朝鮮の初代指導者、金日成(キム・イルソン)主席は、ソ連軍で訓練を受けたとされる。北朝鮮は第2次世界大戦後、ソ連の支持のもとで建国された。プーチン氏と、正恩氏の父、金正日(キム・ジョンイル)総書記は何度も会談している。

北朝鮮が「核・ミサイル開発」で孤立するなか、ロシアは手を差し伸べていたのだ。

国際政治学者の藤井厳喜氏は「トランプ氏は、プーチン氏に対し、北朝鮮に圧力をかけて、『核・ミサイル』を放棄させるよう協力を求めたのではないか。ロシアは米朝間を取り持ち、妥協点を探ろうという思惑もあり、存在感を強めている。北朝鮮と微妙な関係にある中国は『正恩政権を追放して従順な体制に変更できればいい』と思っているだろう」と述べた。

今後、強力な軍事力を持つ、米中露3カ国の駆け引きが注目される。

前出の日米情報当局関係者は「米国が北朝鮮を『テロ支援国家』に再指定したことで、朝鮮半島危機のステージが上がった。中国の特使は『核・ミサイルを完全放棄するか、亡命せよ。さもなくば、最悪の結果が待っている』などと最後通告したはずだ。北朝鮮は22日朝の時点で『テロ支援国家』の再指定に反応していない。米中は今後、『金融とエネルギー』で北朝鮮を締め上げていく。窒息寸前までやるはずだ。ロシアが包囲網に加われば、北朝鮮は降参せざるを得ないのではないか」と語っている。夕刊フジより

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