2017年11月29日水曜日

慰安婦めぐる国民感情のズレににじむ慎重姿勢

私は22日から25日まで、公明党を代表して韓国を訪問した。折からの北朝鮮問題への対応や、日本で開催予定の日中韓サミットへの参加などで、政府間だけでなく、与党としても認識を共有し、政府をサポートするためだ。

また、公明党は、韓国とは長年の政党交流がある。文在寅(ムン・ジェイン)政権や議会関係者と接触を図り、新たな交流の歴史を開く必要もあった。

文大統領とは23日、青瓦台(大統領府)で会談した。文氏は「私と山口代表は、弁護士の仕事を始めた年が同じだ」と切り出し、親しく和やかな雰囲気で会談が進んだ。

私は、安倍晋三首相の親書を伝達した。文氏はその場で目を通し、うなずきながら「日中韓サミットの早期開催を期待し、喜んで日本を訪問したい」と意欲を示した。

北朝鮮問題について、私は「国際社会が結束して圧力を高め、北朝鮮に行動を改めさせることが重要だ。その結束が平和的解決につながる」と主張した。

文氏は「日本が韓国と同じ立場に立って、国際社会の協力を引き出すことに主導的な役割を果たしていることに感謝する」としたうえで、「われわれは、北朝鮮に最も強い制裁と圧迫を加えており、これらを通じて北朝鮮に核を放棄させ、対話のテーブルに引き出すために認識を同じくする必要がある」と語った。

さらに、文氏は「自分は日本との関係をとても重視している。韓国には『遠くの親戚(しんせき)よりも隣人が大事』との言葉があるが、隣国同士で良い関係を築いてこそ、共同発展ができる。歴代大統領の中で、最も日本の首脳と緊密に協議している」と強調した。

私が「両国にはさまざまな課題があるが、これらの課題を適切にマネージし、本物の未来志向的な関係を築く重要な時期を迎えている」と訴えると、文氏は「さまざまな問題があるが、あらゆる関係発展の土台となるのは、信頼である。双方の好意的な感情が必要である」と応じた。

文氏は、両国の議員連盟や政党間交流の重要性にも触れた。

これまでも、課題の克服に、議員連盟の果たしてきた役割は大きい。来月には、韓国側の議員連盟が訪日する予定である。丁世均(チョン・セギュン)国会議長や、姜昌一(カン・チャンイル)韓日議員連盟会長、大統領特使として今年5月に来日した文喜相(ムン・ヒサン)議員らとも会談し、政治家同士が関係改善に果たす役割の重要性を確認し合った。

総じて、慰安婦問題をめぐる日韓合意を前提に、両国の国民感情のズレに慎重に対応する姿勢がにじみ出ているように感じた。

平昌(ピョンチャン)と、江陵(カンヌン)にある冬季五輪の主要施設と新高速鉄道の試乗を含めて、康京和(カン・ギョンファ)外相が、われわれと外交団を案内してくれた。

障害者にも配慮した立派な施設が完成しつつある。「平和の祭典」を世界が願っている。夕刊フジより

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