米国が北朝鮮の近海に空母打撃群を派遣したのに対し、朝鮮中央通信は13日、金正恩党委員長が朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の「特殊作戦部隊の降下および対象物打撃競技大会‐2017」を指導したと報じた。軽輸送機や武装ヘリも動員されたこの競技大会は、特殊部隊がいつでも、韓国に浸透できることをアピールするものだったと見ることができる。
吹き飛ぶ韓国軍兵士
つまり正恩氏は、「米国がわれわれに手を出せば、南(韓国)は無事では済まない」ということを強調したかったのだろう。
在韓日本大使館は12日、韓国に滞在・渡航する人に向けて最新の情報に注意するよう促す海外安全情報(スポット情報)を出した。これを受け、韓国市民や在留邦人からの問い合わせが相次いだというが、それもあながち的外れな反応とは言えないのである。
とはいえ、こうしたデモンストレーション合戦は、米朝とも計算ずくで行っている可能性が高い。北朝鮮では11日、国会に相当する最高人民会議が開かれた。また25日の軍の創建記念日にはパレードを準備中とも伝えられ、多数の軍指揮官が持ち場を離れた状態にあるはずだ。だからこのタイミングで正恩氏が極端な行動に出ることはない。米国にはこのような読みがあり、北朝鮮側にもまた、米国の真意を読んでいるものと思われる。
それでも、何らかの偶発的な出来事が、予想もしない方向に広がる怖さはある。2015年8月、北朝鮮の地雷で韓国軍兵士が身体の一部を吹き飛ばされた事件をきっかけに起きた、南北間の軍事危機がまさにそうだった。
一方、韓国の北朝鮮専門ニュースサイト、ニューフォーカスは、北朝鮮の地方に住む情報筋の話として、一般庶民は情勢について詳しく知らず、社会は平穏を保っていると伝えている。しかしもちろん、米空母の情報に敏感に反応している人々もいる。
そんな人々の中からは、「この機会に米国や南朝鮮(韓国)が平壌の最高人民会議の議場に砲弾1発打ち込めば、(正恩氏ら)北朝鮮の政権は全滅するのに」などといったブラックジョークも聞こえるという。
仮に戦争が起きれば韓国にも日本にも被害が及ぶだろうが、北朝鮮の人々は、恐怖政治や人災による大災害によって命を奪われる危険と常に隣りあわせだ。本気で戦争を望んでいる人は多くはないだろうが、我々とは違う感覚で情勢を眺めている人も少なくはなかろう。 デイリーNKジャパンより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年11月2日木曜日
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