中国メディアの新浪網は15日、同国海軍が同国最新鋭の早期警戒管制機KJ−500(空警−500)2機を海南島の基地に配備したと伝えた。中国はベトナムやフィリピンなどで群島の領有権や海域における権益で対立する南シナ海における軍事行動能力をさらに増強させつつあると見られる。
中国人民解放軍は早期警戒管制機として2000年ごろに、輸送機Y−8(運−8)を改造したY−8警戒機の運用を始めたとされる。しかしレーダーの探知距離が空中の対象物の場合には100キロ、海上に対しては240キロ程度しかなく、しかも機首搭載型のレーダーなので前方の狭い範囲しか探知できず、実用性には乏しかった。
新浪網は、空軍は新型の早期警戒管制機KJ−200の導入に伴いY−8を退役させたと紹介。KJ−200のレーダーはほぼ全方位に対して有効とされる。一方、海軍はY−8とKJ−200を併用し続けた。
早期警戒管制機の最新鋭機がKJ−500だ。新浪網によると、最近になり米民間会社が発表した衛星写真により、海南島の海軍基地にKJ−500が少なくとも2機配備されていることが明らかになった。KJ−500は空中の対象物に対しては470キロまで、海上なら350キロ前後までの探査が可能だ。レーダーは全方向タイプで死角はないという。
KJ−500にはさらにKJ−200にはなかった衛星通信システムも備わっている。KJ−200の通信可能距離は数百キロメートルまでと見られているが、KJ−500に制約はない。本土から遠く離れた空域での活動も容易になった。
海南島の基地を使用するのは中国海軍南海艦隊で、南シナ海など台湾海峡以南の海域を「防衛範囲」とする。新浪網はKJ−500の写真分析に基づき、海軍仕様の同型機は後方からのミサイル接近警報装置も追加されていると分析。「防御力も向上されており、南シナ海諸島の上空のような、敵情が比較的厳しい空域での活動に有利」と主張した。
南海艦隊は現在、重戦闘機J−11BH/BSH(殲−11BH/BSH)を70機程度、戦闘爆撃機FBC−7(殲轟−7)を20機以上、爆撃機H−6G(轟−6G)を20機程度配備しているとされる。KJ−500導入により監視・管制能力が向上することで、中国は南シナ海における軍事行動能力をさらに増強しつつあると見られる。 レコードチャイナより
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