2017年5月16日火曜日

「空飛ぶクルマ」競争にトヨタも挑戦状

日本の週刊経済誌「日経ビジネス」は14日付の記事で「空飛ぶクルマ」の開発に乗り出した日本のベンチャー企業のカーティベーターにトヨタが投資することにしたことを重点的に報道した。

カーティベーターは2020年の東京五輪開催前に車両開発を完了し、車が飛んで聖火に点火することを目標にする。トヨタ自動車は日経ビジネスとのインタビューで「未来自動車は現在の自動車と完全に異なるという考えでカーティベーターへの投資を決めた」と話した。
 トヨタは米国で滑走路不要で飛行機が離陸できるよう自動車に翼を装着する技術を開発し特許出願することもした。「エアロカー専用の積み重ねられる翼」という名前が付いたこの特許は車両屋根に特殊素材を使った一種のパネルを何層にも重ねる方式だ。飛行機が離陸する時にこのパネルが翼の役割をして車両を空中に浮揚させる。

初期投資金額4000万円は大きな額ではないが、トヨタが空飛ぶクルマに関心を持つことになったのは米国企業の動きに刺激されたためとみられる。

米国政府が空飛ぶクルマに本格的に関心を持ったのは2003年だ。民間企業が開発に参入できる雰囲気を作ろうとしたが、航空インフラが障害だった。衝突防止に向けた管制システムや離着陸できる滑走路などがまともに備えられておらず簡単に参入できなかった。

問題解決に向け米国政府は2005年に次世代交通システム研究所を設立して次世代航空・交通システム(NGATS)導入を始めた。この時から空を飛ぶ車両を開発する過程で必要な高速道路認証を免除したり、試験飛行段階で必要な要件を緩和したりした。

空飛ぶクルマに対する具体的な定義が登場したのもこのころだ。米航空宇宙局(NASA)は「地上走行が可能な小型飛行機」と区分し、空飛ぶクルマを▽自動車運転免許証で操縦でき▽時速240~320キロメートルで▽1300キロメートル以上離を恒速走行できる▽5人乗り以下の自動車――と規定した。

政府の督励の中で米国企業は相次いで成果を出している。米マサチューセッツ工科大学(MIT)出身者が2006年に設立したテレフギアは2009年に2人乗り道路走行飛行機「ザ・トランジション」を開発し、4人乗り飛行自動車TF-Xを開発中だ。配車サービス会社のウーバーは空を飛ぶウーバーエレベーターの開発に向け2月にNASA出身者を迎え入れた。米カリフォルニア州シリコンバレーにはジーエアロ、キティホークなど6社が同様の挑戦をしている。         
欧州では交通渋滞問題を解決するために空飛ぶクルマの開発が始まった。米国の人口より1億7000万人多い約5億人が居住する欧州で交通混雑解消は緊急な問題だ。自動車が空を走れば道路で発生する渋滞問題を一挙に解消できる。

2011年に欧州連合(EU)は620万ドルを出資して空飛ぶクルマの開発を始めた。その後航空機メーカーのエアバスがドローンと電気自動車を組み合わせた炭素繊維素材のフライングカーを発表し、オランダで開発された量産型飛行カーのリバティーが2018年に顧客に引き渡される予定だ。スロバキアのベンチャー企業エアロモービルは「エアロモービル3.0」を2014年に開発し、今年から予約を受けている。

各国がフライングカープロジェクトに取り組んでいる背景は電気自動車と自動運転車の技術発達と関連がある。

韓国航空宇宙研究院のキム・ウンテ航空研究本部長は「フライングカーに使われるバッテリーは電気自動車用バッテリーと完全に同じで、電気モーターも高出力だという点を除けばほとんど似ている。電気自動車に使われる電気モーターやバッテリーなど電気推進システム効率が良くなり空飛ぶクルマに対する関心も高まっている」と説明する。

また、スマートカー技術に使われる自動運転・安全補助技術の発達も影響を及ぼした。空飛ぶクルマを実現するのに必要な基盤技術がこの数年で大きく発展したのだ。KAIST航空宇宙工学科のシム・ヒョンチョル教授は「技術的に障害はほとんど解決された状況。適切な投資家が現れ制度・インフラさえ整えば2025年ごろに空飛ぶクルマが商用化されるだろう」と説明した。

もちろんまだ技術開発が必要な部分もある。垂直離着陸技術が代表的だ。複数のモーターが分散推進し飛行体を垂直離着陸するのは現在でも可能だ。問題は「安全に」垂直離着陸をすることだ。例えば4個のモーターで離着陸する技術はすでに開発されているが、このうち1個が故障しても胴体が安定を維持する技術が必要だ。垂直離陸した飛行機がリアルタイムで前進飛行に移動する技術や、無人機飛行制御装置技術なども課題に挙げられる。

韓国も空飛ぶクルマの実現に必要な核心技術はほとんど確保しているというのが韓国航空宇宙研究院の説明だ。韓国航空宇宙研究院航空構造研究チームのハン・チャンファン責任研究員は「IT・自動車・航空技術強国である韓国が空飛ぶクルマの開発に飛び込むなら先進国と競争して新市場を開拓できる。国レベルで核心技術に投資し、早期にグローバル競争力を強化しなければならない」と話している。 中央日報より      

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