中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域で活発に動いている。2012年9月、日本が尖閣諸島の所有権を取得してから、中国公安部海警局の公船が断続的に侵入している。15年には中国海軍艦艇が南西諸島を8回通過した。16年6月には、中国海軍の艦艇が尖閣諸島北方のわが国接続水域に入域するなど活動を活発化させている。
昨年度の公船の領海への侵入回数は8回を数えた。これらに対し、同海域では警察機関である海上保安庁が第一義的に中国公船に対応している。その上で、海上保安庁が対処できない、または著しく困難と認められる場合、海上警備行動を発令し、海上自衛隊が海上保安庁と連携しつつ警察権の行使により対処することになっている。
海だけではない。12年12月には中国国家海洋局所属機「Y-12」が尖閣諸島魚釣島付近を領空侵犯した。15年には中国軍機が沖縄本島と宮古島間を通過する長距離飛行を行うなど、特異な事案が発生している。その後、戦闘機が近接するなど活動が活発化し、中国機が出没する空域が一層拡大している。
同空域では対領空侵犯措置の任務を持つ航空自衛隊が第一義的に対処している。航空自衛隊の16年度の緊急発進回数(スクランブル)は1168回で、そのうち中国機への対応が851回で前年度と比べて280回増加した。中国機へのスクランブルが全体の73%を占めている。
平時は尖閣諸島周辺の海空域は警察機関である海上保安庁と航空自衛隊による警察権の行使により対応している。
今や同海域は海上保安庁と中国海警との持久戦状態だ。海上保安庁には過酷な任務の遂行を願うばかりであるが、最近の公船の大型化、先鋭化により、尖閣諸島の周辺海域での日本の自由なコントロールが利かなくなる事態は予期しておく必要がある。
次に予想されるステージは、大漁船団でやってきた民兵などによる尖閣諸島への上陸だ。これは武力攻撃に至らない事態であり、正面からの軍事行動でないため当初から米国には頼れない。あくまで日本独自で対応しなければならない。
2月10日の日米首脳会談で発表された共同声明では、尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用範囲とされ、米国の防衛義務があることなどが確認された。だが、共同防衛の対象は「わが国の施政下における武力攻撃」に対して、である。
中国が送り込んできた多数の武装民兵への対応が遅れ、中国の施政下に入る事態が起きた場合、米国が動かない可能性もある。尖閣諸島の危機に米軍が直ちに反撃してくれると信じている国民がいたとしたなら、それは単なる「幻想」である。
中国は南西諸島を含む東シナ海全域を制覇するため、「短期で中程度の戦争」は考えていると思われる。
尖閣諸島はいかなるときも日本の施政下であり続けることで、初めて米国の協力が期待できる。だからこそ、日本は自力で中国軍の尖閣諸島を含む攻撃を撃退できる能力を確保しなければならない。残念ながら13年12月に定めた「防衛計画の大綱」(25大綱)が目指す自衛隊の能力では不十分なのだ。
一段の陸・海・空の自衛隊の体制拡張と、安全保障関連法で手つかずの法制を新たに整備することが不可欠である。 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年5月11日木曜日
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