中国春秋時代、斉という国を治める斉景公は、寵愛していた臣下の梁丘據が死んだ後、立派な墓を建てて盛大に葬式を行うことを考え、宰相の妟子(イェン ツー)に相談を持ちかけた。
妟子が言った。「梁丘據が主君に忠実であったということを、もう少し聞かせてもらえますか?」
斉景公が答えた。「私が欲しいものがあれば、彼はいつでも自分の私物を私に献上してくれるほど、私に忠実だった。また、私が彼を呼びだせば、暴風であろうと豪雨であろうと、必ず来てくれた。彼は、私を大事に思ってくれていたのだ」
妟子が言った。「私は違う見方を持っていますが、話してもよろしいでしょうか?」
妟子は言葉を続けた。「古代の聖者たちは、主君に臣下が個人的に、または専一に仕えることを不忠と言い、父親だけに従順に従うことを不孝と言います。主君に仕えることの原則は、群臣に礼を尽くすこと、民衆に恩恵を与えること、諸侯に対して信義をもって付き合うことです。斉の国にいる全ての民衆があなたの臣民であるのに、皇帝を敬愛しているのは梁丘據だけです。何故、皇帝を敬愛する人がこんなにも少ないのでしょうか。斉の国にある全てのものはあなたの財産であるのに、梁丘據だけがその私財を使い、皇帝に忠実である所を見せました。何故、皇帝に忠実な人がこんなにも少ないのでしょうか。実のところ、梁丘據が原因であったと申しあげましょう。彼は賢臣の行動と進言を妨げ、主君を欺きました。あなたは一人の男の敬愛を得ましたが、その他大勢の忠義と敬愛を失ったのです。これこそ危険ではありませんか?」
斉景公は、「誠に危ういところだった。自分がこんな立場に陥ってしまったとは知らなかった」と言った。その後、梁丘據の墓の建設は中止された。
人々は、このことを非常に喜んだという。 大紀元日本より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年5月23日火曜日
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