2017年5月21日日曜日

TPP11、早期発効へ閣僚声明 米復帰にも道筋

米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国は21日にベトナムで閣僚会合を開き、11カ国が「TPPの利益を実現する価値に合意した」とする閣僚声明をまとめた。TPPの早期発効に向けた選択肢の検討を11月までに終えることも明記した。離脱した米国の復帰を促す方策も検討することを確認した。

11カ国によるTPP会合を終えた石原経済再生相(21日、ベトナム・ハノイ)=ロイター
11カ国によるTPP会合を終えた石原経済再生相(21日、ベトナム・ハノイ)=ロイター

閣僚会合に出席した石原伸晃経済財政・再生相は終了後にハノイ市内で記者団の取材に応じ、「11カ国の(TPPへの)コミットメントを明確に確認できた」と述べた。米国については「そんなに簡単に戻ってくるとは思えないが、日本が橋渡しをする」と語った。7月に日本で首席交渉官会合を開き、日本が主導して交渉を進めることも明らかにした。

閣僚声明では、TPPの実現が加盟国の経済成長につながる点を強調したうえで「労働者や農業従事者、消費者などにも新たな機会を創出する手段」とし、離脱表明した米トランプ政権への配慮ものぞかせた。

また声明では、TPPの高い水準の貿易ルールなど自由貿易を重視する理念を共有できる11カ国以外の国にも門戸を開く方針を盛り込んだ。中南米の経済圏「太平洋同盟」加盟国のコロンビアを、新たにメンバーに加えることを希望するメキシコなどへの配慮とみられる。

メキシコのグアハルド経済相は会合後、記者団に「全ての閣僚がTPP実現の機運を維持するため、最大限の努力を続ける意向を示した」と述べた。

20日の首席交渉官会合では、11カ国での発効の是非や合意内容変更の有無などに関する意見がまとまらず一時議論が紛糾した。ただ、閣僚会合では5月初旬にカナダで開かれた首席交渉官会合で検討された声明案をほぼそのまま採択。会合は予定よりも40分以上早く終了した。
日経新聞より

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